急性膵炎と慢性膵炎|みぞおちや背中が痛むときは膵炎かも~原因と症状

お酒を飲んだ後や脂ものを食べた後に、みぞおちや左のわき腹、左の腰、背中が痛む。下痢をする。のたうちまわるほどあちこちが痛む。ひざを抱え込む姿勢を取るとラクになる。こんな症状はありませんか?

のたうちまわるほど痛い膵炎

膵臓は胃の裏側にある左右長さ約15㎝ほどの小さな臓器です。

消化酵素を含む膵液を分泌して、食物の消化や吸収を助けています。

本来膵臓を傷つけることはありませんが、なんらかの理由で膵液の流れが悪くなるとドロドロの状態になり、膵臓内にとどまって膵臓を溶かして炎症を起こします。自分の膵臓の細胞をどんどんと溶かして壊死させていくので、鋭く重い痛みが生じます。

その痛みは医療関係者が「キング・オブ・ペイン(痛みの王様)」と呼ぶほど。臓器を鈍器でえぐるような痛みが走ります。

一度発症すると何度も繰り返すことも多くあります。

膵臓の組織は一度破壊されると元には戻りません。特に慢性膵炎は初期段階で進行を防がないとその後の生活に大きなダメージを与えます。

一生お付き合いをしなければならない病気です。

膵炎にはどうしてなるの?

膵炎の原因の主なものとして飲酒量の増加食生活の洋風化、それに胆石などが指摘されています。

急性膵炎の最大の原因は、アルコールの飲みすぎです。アルコールを大量に飲むと、膵液の分泌が活発になることで膵液があふれ、炎症を起こします。男性の半数以上がアルコール性だと言われています。

一方、肉類や揚げ物類などの脂肪分をたくさん食べた後に発症することもあります。

また女性に多くみられるのは胆石です。胆石も脂肪分のとりすぎなどによって、胆汁が石のように固まったものです。その胆石が膵臓の出口を塞いでしまい膵炎を発症します。

症状

腹痛、悪心・嘔吐、背部痛がみられます。

その場合、前屈みの姿勢になると腹痛が軽減する傾向があります。

他には食欲不振、発熱、腹部膨満感などにみられることもあります。

慢性膵炎は気づかずに進行することも

急性膵炎の場合は、ひどい激痛を起こすことが多く、直ちに受診して治療を受けることになります。

一方で、慢性膵炎の場合は軽症のうちは痛みも少なく、気づかないうちに治まってしまうこともあります。胃薬などを飲んで知らずに終わっていたなんてこともたびたびです。

一般的には40〜50代で発症することが多く、飲酒後や食事後にお腹や背中が痛んだり、体がだるくなり発覚します。他には胆石、遺伝、膵臓の奇形などがあります。

慢性膵炎を発症すると、腹痛を5〜10年に渡り何度も繰り返します。その間に炎症が進行しすると、膵液の分泌量が減ってしまい、腹痛が弱まったり、なくなったりします。痛みはなくても実際には膵臓の機能がかなり悪化していることを表しています。慢性膵炎は現在の医療では治すことができないため、一生病気に苦しめられることになります

診断および治療

急性膵炎が疑われるときはまず血液検査、腹部超音波検査、Ⅹ線CTなどの検査を行います。

急性膵炎は通院では治療困難であり、緊急入院となる場合がほとんどです。絶食をして大量の点滴を行いながら、膵炎の治療薬を投与します。治療期間は軽症で2~3週間重症では数カ月に及ぶこともあります。

慢性膵炎でも急性増悪と言って、急性膵炎の様な強い急性の炎症を伴うこともしばしばあり、この場合は急性膵炎と同様に入院治療が必要となります。

治療として最も重要なのが禁酒です。慢性膵炎の場合は食事が脂質制限されます。

アルコール好きには厳しい治療となりますので、常日頃から過剰摂取をしないように心がけておくことが大切です。

一生断酒なんてことが本当に起こってしまったら、食生活も趣味も友人との関係性すら変わってしまいます。そうならないように気をつけましょうね。

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