慢性膵炎の進行を止めるのに一番大切なのは食事療法だと言われています。ここでは基本的な食事をご紹介します。
基本的な食事療法
●禁酒
●禁煙
●脂肪分を控える(1日脂質30g)
●腹6〜8分目(満腹まで食べない)
●刺激物を控える(コーヒー、香辛料など)
この食生活になって改めて思い知らされるのは「おいしいものは糖と脂でできている」こと。食事のバリエーションもかなり狭くなるので、食べることが大好きだという人には覚悟が必要です。
具体的な食事内容
1)高脂肪食を避けて脂肪分は1日脂質30gまで
脂肪は消化するのに時間がかかるため、長く膵臓を刺激します。1日30gというのは、食事一回につき10g×3回=30gです。脂肪分を消化できる量が一度に10gまでなので、一度にまとめて30gではありません。
〈推奨される低脂質の食品〉
・主菜:鶏のささみ、鶏の胸肉(脂身なし)、白身魚(カレイ、タラ)など
・主食:米、食パン、麺類
・副菜:緑黄色野菜、芋類、果物
〈避けたい高脂質の食品〉
肉の脂身、青魚、揚げ物、チーズ、インスタントラーメン、スナック菓子、ケーキ類、チョコレート、クッキーなど。
マヨネーズ、ドレッシング、バター、牛乳なども脂質量が多いので、バターは塗らない代わりにジャムを塗る、牛乳の代わりにスキムミルクや豆乳を飲むなどの工夫が必要です。
2)食物繊維は摂りすぎない
食物繊維を多く含む食材は消化に時間がかかってしまいます。人によっては摂りすぎると下痢をひどくさせてしまうことがあるので注意が必要です。
〈気をつけたい食品〉
たけのこ、レンコン、ごぼう、こんにゃく、豆類、海草、きのこ類、イカ・タコなどの甲殻類、梨・カキ・ぶどうなど果物類
3)刺激物は控えめに
アルコールはもちろん、刺激物は胃を刺激し膵液の分泌を促進します。
〈気をつけたい刺激物〉
アルコール(禁酒)、香辛料、コーヒー、炭酸飲料、熱いもの、冷たいもの、酢の物、柑橘類
胃に食べ物が入ると膵臓から膵液が分泌されます。消化の悪い食材を取るとそれだけ膵臓に負担がかかります。そのため消化の良いものを取ることが必須になります。
調理の基本は、煮る、蒸す、茹でるです。昔ながらの和食と思えばいいでしょう。
人によって合う食材と合わない食材も出てきます。自分の体調と相談して、無理のない食事を心がけましょう。
強いストレスや睡眠不足、疲労も厳禁です。暴飲暴食を避け、規則正しい生活をして十分な睡眠を取りましょう。
膵炎は現状より悪くならないように気をつけながら、一生おつきあいしていく病気です。無理なく続けられるように工夫していきましょう。