頭が痛い!といっても、その原因や症状はいろいろ。風邪や二日酔いなどによる一時的なものから、命に関わるような危険なものまでさまざまです。
対処法を間違えると症状が悪化することがあるので、頭痛の特徴と対処法を知っておくことが大切です。
15歳以上の日本人の3人にひとりがいわゆる「頭痛持ち」といわれるほど、多くの方が頭痛で悩んでいます。しかし、ひとくちに頭痛といっても、風邪や二日酔いなどが原因の日常的に起こりうる頭痛から、慢性的な頭痛、病気に伴う危険な頭痛までさまざまあります。
大きくは一次性頭痛と二次性頭痛に分かれます。
一次性頭痛
他の病気を伴わない頭痛で、頭痛の9割はこの一次性頭痛です。さらに、片頭痛、緊張性頭痛、群発頭痛に分けられます。
二次性頭痛
脳や身体にある、なんらかの病気が原因で起こる頭痛です。命の危険もあるために注意が必要です。代表的な病気としては、くも膜下出血、脳出血、脳腫瘍、髄膜炎などがあります。
中には、危険な病気をともなうこともあるため、その痛みの原因を知ることは大変重要です。
一次性頭痛の特徴と対処法
緊張型頭痛
<特徴>
・首や肩が凝りやすい
・パソコンや机に向かうことが多い
・目が疲れやすい
・日頃あまり運動をしていない
・ダラダラと頭痛が毎日のように続く
・睡眠でラクになる
心からくる緊張型頭痛は、職場の人間関係や家族の問題など、精神的なストレスに弱い人に多いようです。頭痛の起こり方も、漠然とした頭の鈍重感に始まり、1日中持続する傾向があります。
<対処法>
血管の収縮が原因で起きるので、まずは血行をよくすることが大切です。体を温めて筋肉の緊張をほぐし、血行を促しましょう。また、ストレッチや体操、マッサージをしたりしましょう。ゆっくり入浴するのもリラックスするのに役立ちます。長時間同じ姿勢をとらないようにしましょう。
片頭痛
<特徴>
・体を動かすと痛みが増す
・痛みが数時間~3日間続く
・頭痛時に吐き気がしたり、光や音に敏感になる
・生理前から生理中に痛む
・ズキンズキンと脈打つように痛む
ズキンズキンという拍動性の痛みが、頭の片側(ときには両側)、こめかみや目の周り、首の後ろに起こります。
<対処法>
血管が拡張することが原因で起きるので、なるべく刺激を与えないようにします。血管をさらに広げないため、できるだけ静かな暗い場所で安静にすることが大切です。温めてはいけません。
外出時に片頭痛の起こる人は、車や人の流れ、騒音、まぶしさなどが誘因となるので、車に乗るときは座席の位置を工夫したり、外出先ではサングラスをかけるとよいでしょう。
群発頭痛
<特徴>
・頭の片側だけが痛い
・目の奥のあたりに激痛が起こる
・目が充血する
・涙や鼻水が止まらない
目の奥や周りから側頭部まで広がり、突き刺すような激しい痛みが15分~3時間くらい続きます。頭痛のなかでは、もっとも激しく痛みます。
群発頭痛は、脳の視床下部が関係して起こると考えられています。なんらかの原因によって視床下部が刺激を受けると、頭部に分布する三叉神経が痛みを感じます。そのため、三叉神経がつながっている目の奥のあたりに激痛がおきます。また、三叉神経とつながっている副交感神経が興奮するために、涙や充血などの症状も併発します。
三叉神経は頭の左右に分かれているため、症状は顔の片側だけに起こります。
群発頭痛は1~2時間ほど続き、夜から明け方に起こることが多いとされています。毎日ほぼ同じ時間帯に起こるのが特徴です。長ければ10年以上にわたります。
<対処法>
群発期にはアルコールを摂取すると確実に頭痛が起こるので、飲酒は避けます。また、就寝時刻が不規則になったり、長時間の昼寝をすることで、頭痛が起こることがあります。
一般の鎮痛薬では痛みが抑えられないので、トリプタンを自己注射します。内服液もありますが、効果が現れるまでに時間がかかるため、即効性のある注射を使用します。
もうひとつの治療法が酸素吸入です。口と鼻を覆って密閉するマスクを装着し、1分間に7~10ℓのペースで約15分間酸素を吸入します。
<特徴>
・突然頭痛が起こる
・過去に経験したことがない最大の頭痛
・運動したときに起こる
・麻痺やしびれがある
・頻度が増していく
突然の頭痛や今までに経験のしたことのない頭痛が特徴です。
脳や身体の病気が原因となるものから頭痛が起きることがあります。突然の激しい頭痛を起こす「くも膜下出血」、高熱を伴う頭痛を起こす「髄膜炎」、頭痛の強さが数週間のうちにどんどん進行していく「脳腫瘍」など、かなり危険な病気も含まれます。注意しなければならない怖い頭痛です。
危険な病気を見逃さないためにも、おかしいなと思ったら自分で判断せずに、すぐに病院を受診するようにしましょう。