【この差って何ですか?】発酵食品(味噌・キムチ・ヨーグルト・チーズ)の健康食品の差

2018年7月31日放送の「この差って何ですか?」にて、「発酵食品」の健康食品の差が紹介されました。

「菌活」が大ブーム

本屋さんでも「菌活」コーナーがつくられるほど、大ブームになっている「菌活」。「菌活」とは、納豆菌が含まれる納豆や乳酸菌が含まれるヨーグルトなど、体に良い菌が含まれる発酵食品を積極的にとることで、腸内環境を整え健康になろうというものです。

なぜ「菌」をとると体に良い?

そもそも人間の腸の中には500種類以上、100兆個もの「菌」がいて、その重量は2kgにもなります。

体内にたくさんいる「菌」は大きく3つに分けることができます。
まず1つ目は、腸内で良い影響を与える「善玉菌」。2つ目は、体に有害な毒素を作り出して腸内の環境を悪化させる「悪玉菌」。3つ目は「日和見菌」といわれる菌で、「善玉菌」が優勢なら「善玉菌」に加勢し、「悪玉菌」が優勢なら「悪玉菌」に加勢する「菌」。
3種類の「菌」のバランスは、健康な人の場合「善玉菌」2:「日和見菌」7:「悪玉菌」1となります。しかし、「悪玉菌」が増えて腸内環境が悪くなると、便秘になったり免疫力が低下したり、大腸がんなどの重大な病気につながることもあります。
そのため、「善玉菌」がたくさん含まれる発酵食品を摂取して、腸内の「善玉菌」を増やすことが重要。ただし、せっかくの発酵食品も食べ方次第で健康効果が半減してしまうことがあります。

なぜ自然と「悪玉菌」が増えることがある?

加工食品や添加物が多い食生活だったり、徹夜したりすると腸内細胞の状態はガラッと変わります。「悪玉菌」は毒素を出しており、脳や体の色々な免疫系や代謝に関係していて、認知機能や運動機能の低下など色々なことに関係していることが研究で分かってきています。

「高血圧予防」により効果的なのは、「赤みそ」「白みそ」どっち!?

「みそ」というと塩分が高く、血圧を上げるイメージを持つ方も多いでしょう。しかし、最近発表された日本生物工学会の研究によると、みそをつくる際に麹菌が大豆を分解してできる大豆ペプチドが「高血圧予防」に効果があることが分かりました。
「高血圧予防」により効果的なのは「赤みそ」です。「赤みそ」は塩分量が多く大豆のみでつくられており、「白みそ」は塩分量が少なく大豆と米でつくられています。

塩分は「赤みそ」の方が多いですが、重要なのが大豆ペプチドです。そもそも高血圧とは、血管が狭くなってしまい血流が悪くなることで起こりますが、大豆ペプチドはこの狭くなった血管に作用し、血管を広げることによって高血圧が良くなることが分かりました。大豆だけでつくられる「赤みそ」は、大豆とお米でつくられる「白みそ」より、約10倍も大豆ペプチドが多く含まれます。そのため塩分が高いにも関わらず、「赤みそ」の方が高血圧予防に効果があるといわれています。

「高血圧予防」にオススメの「みそ汁の具材」は?

定番の「わかめ」と「豆腐」がおすすめです。
「わかめ」には「カリウム」が豊富に含まれています。「カリウム」は腎臓で塩分を排出しやすくする効果があり、「高血圧予防」につながります。また、「豆腐」にはみそと同じく「大豆ペプチド」が含まれているので、定番の「ワカメと豆腐のみそ汁」は「高血圧予防」に最適な組み合わせといえます。

「疲労回復」により効果的なのは、「ぬか漬け」「キムチ」どっち!?

「漬物」には、「善玉菌」である植物性の「乳酸菌」が多く含まれていて、この植物性「乳酸菌」が小腸の中で悪玉菌を退治してくれます。そのため、栄養分の吸収がスムーズになり、「疲労回復」に効果があると言われています。

「疲労回復」により効果的なのは「キムチ」です。「乳酸菌」の量は、「ぬか漬け」が約1600万個、「キムチ」が約1億6000万個と、「キムチ」の方が約10倍と圧倒的に多くなっています。

「キムチ」の方が「乳酸菌」の量が多い理由は2つあります。1つ目は、「発酵期間」です。

「ぬか漬け」の発酵期間は半日〜2日なのに対し、「キムチ」の発酵期間は約1か月と長く、「乳酸菌」が長い時間をかけて増えていきます。

2つ目の理由は「食べ方」。ぬか漬けは「乳酸菌」の多いぬか部分を水洗いして流してしまっているので、「乳酸菌」の大半を失ってしまいます。「キムチ」は「乳酸菌」の多い周りのエキス部分を一緒に食べるので、「乳酸菌」の量が多くなります。
ただし、「ビタミンB」は「ぬか漬け」の方が多いです。「ビタミンB6」は生のキュウリの約4倍、「ビタミンB1」は生のキュウリの約9倍もアップします。「乳酸菌」の数では「キムチ」に負けますが、「ぬか漬け」にも良いところは色々とあります。

疲労回復」に効果的なオススメの「キムチ」は?

水キムチ」がおすすめです。
「水キムチ」は自宅でも簡単に作ることができます。

お米のとぎ汁200mlにつき小さじ1杯の塩を加えてひと煮立ちさせ、冷ましたら容器に移し、お好みの野菜を切って入れます。これを常温で半日おいたら完成です。
お米のとぎ汁には「乳酸菌」が入っていて、お米の中の糖分によって発酵していきます。そのため、爆発的に「乳酸菌」が増えます。「乳酸菌」の量は約3億個と、「キムチ」の約2倍、「ぬか漬け」の約19倍となります。

「便秘解消」により効果的な「ヨーグルト」を食べるタイミングは、「食前」「食後」どっち!

ヨーグルト」には「善玉菌」である「乳酸菌」と「ビフィズス菌」が豊富に含まれています。

「ビフィズス菌」は腸の運動を妨げる「悪玉菌」を退治してくれるので、「便秘解消」に効果があります。しかし、「ヨーグルト」をいつ食べるかによって「便秘解消」の効果が大きく変わってくるのです。

「便秘解消」により効果的なヨーグルトを食べるタイミングは「食後」です。食事の前の空腹時の胃の中は、胃酸が多く出て酸性の状態になっている。「ビフィズス菌」は胃酸に弱いため、食前に食べると「ビフィズス菌」の99%が死んでしまいます。「食後」は胃酸が食べ物によって中和されて酸性が弱くなっている状態なので、「ビフィズス菌」が生きたまま腸内に届き、「悪玉菌」を退治してくれるのです。

死んでしまった菌体は腸の中にいる「ビフィズス菌」のエサになるので、腸の中の「ビフィズス菌」を増やしてあげるには効果があり、全く意味がないわけではありません。しかし、生きたまま腸に届けようとするなら、「食後」に食べた方が良いでしょう。

「朝食」・「昼食」・「夕食」、いつの食後が良い?

便秘解消」により効果的なのは「夕食後」です。

1日の腸の活動を見ると、朝や日中の活動している時間帯は腸が活発に働いているので、せっかくとった「ビフィズス菌」が腸の活動によって流されやすくなります。一方、夜の睡眠時は腸の活動が緩やかになり、「ビフィズス菌」が腸内に留まる時間が圧倒的に長くなります。「ビフィズス菌」が消化管に留まっている時間が長いほど増えるチャンスがあるため、「夕食後」に食べるのが「便秘解消」により効果的となります。

「ビフィズス菌」をより効果的にとれる「ヨーグルト」の保存方法は、「3〜5℃の冷蔵室」「約0℃のチルド室」どっち!?

「ビフィズス菌」をより効果的にとれる「ヨーグルト」の保存方法は、「3〜5℃の冷蔵室」です。

「0℃のチルド室」では、「ビフィズス菌」は完全に冬眠状態に入っていて、長い間冬眠状態だった「ビフィズス菌」をとっても、冬眠状態のまま腸内を通り出てしまいます。人間の体温である37℃くらいのところに5〜6時間いても起きません。「3〜5℃の冷蔵室」では「ビフィズス菌」は冬眠状態に入っていないため、活発ではないが体内に入ると目が覚めやすく大腸に入る頃には活発に動けるようになります。
冷蔵庫から出して30分程おいて常温に戻してから食べると、体の中で「ビフィズス菌」がすぐに活動するのでおすすめです。

「紫外線対策」により効果があるのは、「柔らかいタイプのチーズ」「硬いタイプのチーズ」どっち!?

紫外線対策」に効果的なのは「チーズ」です。

夏はたくさんの汗をかくことで、体内の「カルシウム」が大量に流れ出てしまっています。「カルシウム」が不足すると、肌の水分を保持する力が弱まってしまい、肌のバリア機能が低下してしまうので、紫外線によるシミや肌荒れを引き起こしやすくなります。「チーズ」は牛乳が「乳酸菌」で固まってできており、「カルシム」が豊富に含まれていて「紫外線対策」に効果がります。

「紫外線対策」により効果があるのは、「硬いタイプのチーズ」です。「乳酸菌」が牛乳を固めていく過程で「カルシウム」を凝縮してくれるため、硬ければ硬いほど濃縮効果が高いといえます。

「カルシウム」の含有量を比べると、牛乳が100gあたり110mgなのに対し、「ゴーダチーズ」は680mgと約6倍の濃縮効果がある。そのため、牛乳を飲むよりもチーズを食べた方が「カルシウム」の量がたくさんとれます。さらに、色々な種類のチーズの100gあたりの「カルシウム」含有量を比べてみると、柔らかい順に「クリームチーズ」は70mg、「モッツァレラチーズ」は330mg、「ゴーダチーズ」は680mg、「チェダーチーズ」は740mgと硬さに応じて「カルシウム」の量が多いことが分かります。

より「カルシウム」をとれる食べ合わせは?

おすすめは「しらす」です。

「しらす」には、「カルシウム」が消化管から吸収されるために必要な「ビタミンD」が豊富に含まれています。「しらす」の「ビタミンD」が「カルシウム」の吸収率を高めてくれるのです。

紫外線対策にオススメのチーズ料理は「チーズとしらすのトースト」。パンに硬いタイプのチーズと「しらす」をのせるだけの簡単料理です。ポイントは最後にふりかける「パルメザンチーズ」。「パルメザンチーズ」は熟成期間が長くカルシウムがより濃縮されているため、「紫外線対策」に最適です。

せっかく発酵食品を摂取するなら、食べ方を少し工夫して「善玉菌」を増やし、健康効果を高めていきましょう。

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