【林修の今でしょ!講座】血管&腸&睡眠におすすめのお茶はどれ?緑茶・麦茶・玄米茶…栄養パワーを学んで正しく淹れて効果的に飲む

2018年10月23日(火)放送の「林修の今でしょ!講座」にて、「健康長寿がよく飲むお茶ベスト10」が放送されました。

健康長寿1000人がよく飲むお茶ベスト10

1位 緑茶

2位 麦茶

3位 ほうじ茶

4位 ウーロン茶

5位 紅茶

6位 ルイボスティー

7位 玄米茶

8位 どくだみ茶

9位 プーアール茶

10位 ごぼう茶

この中から、健康長寿には欠かせないという5つのお茶名医が厳選。医学的に理にかなったすごいパワーや、医学的に正しいお茶の飲み方を最新の研究を交えて徹底講義します。

血管に良い働きが期待できる「緑茶」
緑茶」に含まれる「カテキン」には8種類あります。
主要なカテキンは「エピカテキン」「エピカテキンガレート」「エピガロカテキン」「エピガロカテキンガレート」の4種類です。
なかでも「エピガロカテキンガレート」が、悪玉コレステロールを減らし、健康な血管を維持するのに役立ちます。
血管が詰まってしまうと、心筋梗塞が起こります。脳の血管が詰まってしまうと、脳梗塞になります。脳梗塞を起こすと寝たきりのリスクが高まります。それを防ぐためにもエピガロカテキンガレートがたくさん入ったお茶を飲むことが大切です。
食事でとったコレステロールは、小腸から吸収され、血管の中へと入っていきます。
少量なら問題ありませんが、摂りすぎてしまうと小腸が大量に吸収し、血管にたまり、その一部が悪玉コレステロールへと変化してしまいます。
悪玉コレステロールが増えすぎないために活躍するのが、緑茶に含まれるエピガロカテキンガレートです。小腸から吸収されるコレステロールを減らし、さらに吸収されなかったコレステロールを便として体外に排出するのを促します。この働きによって、血管に悪玉コレステロールが蓄積されるのを防ぎます。
緑茶にエピガロカテキンガレートが多い理由は製造工程にあります。それは発酵させないことです。
緑茶やウーロン茶、紅茶などのお茶は、元々「チャノキ」という同じ茶葉から作られています。違いは茶葉を発酵「させる」か「させない」かです。
ウーロン茶や紅茶には、茶葉を発酵させる過程があります。その過程でカテキンの量が少し減ってしまいます。しかし、緑茶は発酵させないのでエピガロカテキンガレートがたくさん残るのです。
間違えると栄養台無し!医学的に正しい飲み方
緑茶のエピガロカテキンガレートは、飲み方を間違えると台無しです。

エピガロカテキンガレートが多く出る緑茶の淹れ方

お湯を少し冷ますことが大切です。少し冷ます(70~80℃)とエピガロカテキンガレートが抽出されやすくなります。
<緑茶の淹れ方>
①お湯を湯のみに注ぎ、1分くらい冷まします。
②お湯を湯のみから急須に戻し、1~2分ほど冷まします。
これを湯のみに入れて飲みます。
温度に気をつけることで、エピガロカテキンガレートを最大限に摂ることができます。
ちなみに、冷たい水でお茶を淹れると、「テアニン」というカテキンよりも一段階前の成分が出ます。テアニンはカフェインを中和し、リラックス効果が期待できます。

緑茶を1日5杯以上飲むと脳梗塞のリスクが低下する!

40~79歳の男女4万5000人を対象に、緑茶を飲む頻度と脳梗塞の関係を調査したところ、1日1杯飲む人と、1日5杯飲む人では、1日5杯飲む人の方が脳梗塞のリスクが低い(男性42%、女性62%)という結果が出ました。

また、静岡県の100歳以上のうち8割が、緑茶を1日5杯以上飲んでいることもわかっています。
ただし、多く飲めばいいというものではなく、お茶の成分にはカテキンだけでなく、カフェインも含まれるので、適量があります。1日のカフェイン摂取量は、健康な成人の場合、400㎎以下であれば健康リスクへの心配は少ないと言われています。湯のみ1杯でカフェイン量は約20㎎ですが、緑茶以外の飲みものを飲むことを考えると、1日10杯程度までがよいそうです。
トクホの緑茶は、人を対象とした実験で効果があると確認できたお茶なので、それだけ高く期待ができると考えられます。
商品により異なりますが、カテキン量はトクホのお茶の方が急須のお茶より多いと言えます。また、トクホのお茶は、1日摂取目安量の3倍の量を飲んだ試験で安全性を確認しているので、3本までは飲めると考えられますが、カフェインが多いものもあるので1本程度が良い
でしょう。

緑茶を飲むベストタイミング

血管にコレステロールをためない、緑茶を飲むベストタイミングは食後3時間です。

食事でとった脂肪(コレステロール)が小腸から吸収されるタイミングを見計らって飲むのが大事だと考えられています。

食事のコレステロールは約3時間で小腸に到達します。このタイミングでコレステロールは小腸から吸収されます。そのため食後3時間経ったころに、小腸への吸収を抑えるエピガロカテキンガレートが豊富な緑茶を飲むことが理想的です。脂肪が小腸へ出る少し前に緑茶を飲むことで、脂肪の吸収がブロックされて便へと流れるのです。

このことから、午後3時のティータイムは医学的にも理にかなっているのです。

飲む以外で緑茶の栄養素を最大限にとる方法

飲む以外でエピガロカテキンガレートを最大限にとれる究極の方法は、お茶がらを食べることです。

淹れたお茶にはカテキンが約40%出ますが、お茶がらには約60%のカテキンが残っているのです。

お茶がらチャーハン、お茶がらスムージー、お茶がらの和え物、お茶がらの天ぷらなどアレンジして食べることができます。

お茶がらを食べることに抵抗のある人は、ティーバッグのお茶を飲みましょう。緑茶のティーバッグは、細かくすりつぶしているので、カテキンが出やすくなっています。また、お寿司屋さんのお茶には殺菌効果もあるので非常に良いとされます。

緑茶と相性の悪い食材は?

緑茶と相性の悪い食材はレバーです。

緑茶のタンニンは鉄分の吸収を抑制します。そもそも鉄分は体内に10%程度しか吸収されません。ただでさえ少ないのにタンニンで吸収を抑制してしまうと、小腸から吸収されずに流れ落ちてしまいます。特に貧血ぎみの方は、鉄分の入ったものとタンニンを一緒に摂らない方がいいでしょう。

睡眠の質を高める「麦茶」
睡眠時間は人生の1/3です。もし睡眠が損なわれると健康長寿に影響があります。
たとえば、睡眠時間が6時間以下の人と7時間の人を比較すると、認知症のリスク1.36倍も高くなります。また、睡眠不足だと、カルシウムが骨に吸収されにくくなり、骨粗しょう症になったりします。
麦茶」は良い飲み方をすると良い睡眠に役立ちます。飲み方を間違えると効果は台無しになります。

睡眠に良い麦茶の作り方

麦茶のティーバッグはいつまでも入れておくのではなく、ある程度で取り出しましょう。市販の麦茶には、説明書きに取り出す最適な時間が書いてあることが多いので確認しましょう。

麦茶は飲むのはもちろん、香りを嗅ぐだけでリラックス効果が期待できます。

実際に水と麦茶の香りを嗅いだとき、リラックスしたときにでる脳波を測定したところ、麦茶を嗅いだときの方が、リラックス状態のときに出る脳波(α波)が多く出ることがわかりました。

麦茶のティーバッグを容器に入れっぱなしにしておくと、焦げ臭い香りに変わり、α波が出にくくなります。また、細菌が繁殖しやすくなります。清潔を保ち、香りを楽しむために、麦茶ができたらティーバッグはさっと取り除きましょう。

良い睡眠を促すのは「あたたかい麦茶」

あたたかい麦茶は香りがよく立ちます。さらに、体が温まると副交感神経が優位になり、気持ちが落ち着いて、からだもゆったりしてきます。

お茶に含まれるカフェインには覚醒効果や利尿効果があるので寝る前にはおすすめできませんが、麦茶にはカフェインがほとんどないので、寝る前に飲んでも大丈夫です。1杯程度を香りを楽しみながら飲みましょう。

また、ペットボトルの麦茶は、開栓して口をつけたら細菌がペットボトルに入るので、開けたその日のうちに飲みきりましょう。

ちなみに、リラックス効果の高い「ほうじ茶」は緑茶を高温で焙煎させたお茶で、200種類以上の香り成分が出ています。しかし、元々は緑茶なのでカフェインも多く、約2/3も残っています。寝る前は香りを楽しむだけにしましょう。

9月になるとちょっと寂しくなる人が増えて、10月になると外来のうつ病患者が増えます。これを「秋うつ」と言います。はっきりとした理由はわかりませんが、日に当たる時間が短くなることがうつ病を起こさせやすいと考えられています。

うつ病患者の最初の症状が不眠です。不眠が起こらないようお手伝いのひとつとして麦茶を楽しんでもらうという方法があります。

血糖値対策につながる「玄米茶」

糖尿病とは、糖分が血管の中に多くありすぎて、血管の中がベトベトになっている状態です。動脈硬化など、さまざまな器官が障害を受けてしまいます。

そんな血糖値対策には「玄米茶」がおすすめです。

玄米茶の原料は玄米です。精米をしていない(=ぬかのついている)玄米を使ったお茶です。玄米のぬかの中に含まれる「ガンマオリザノール」という成分が、血糖値の上昇を防いでくれます。琉球大学の最新研究で、高血糖の改善効果があることが報告されています。

人は食事で糖質をとり、膵臓からインスリンが分泌して血糖値を正常に保ちます。ガンマオリザノールは、そのインスリンの分泌を促進する働きを持っています。

玄米茶は玄米と緑茶をブレンドしているので、血糖値対策につながるガンマオリザノールに加え、緑茶のカテキンも血糖値対策に期待できます。Wの効果で血糖値対策つながります。

玄米茶を飲むベストタイミング

血糖値の急上昇を抑えるために、玄米茶を飲むベストなタイミングは食前です。

食べた後に血糖値が上がるので、食事の前に飲むのがおすすめです。

ガンマオリザノールには、血糖値を下げるだけでなく、食欲を抑える働きも期待できます。そのため、糖尿病に良い予防法であると言えます。

ただし、作用は非常に穏やかで、薬ではありません。また効果に関してはまだ研究段階であるため、飲みすぎずに数杯にとどめた方が安心です。

玄米茶を使ったおすすめレシピ

血糖値対策におすすめは、玄米茶を使ったお茶漬けです。

お茶漬けの素にはよく玄米あられが入っているように、玄米茶を使ったお茶漬けもおいしいのです。白米を食べるときには、玄米茶漬けがおすすめです。

毛細血管に良いのは「ルイボスティー」
毛細血管の役割とは、動脈と静脈をつないで、毛細血管から体の隅々まで栄養や酸素を届けることです。
人間の体の中に毛細血管は100億本あります。全部つなぎ合わせると約10万㎞、地球2周半くらいの長さになります。毛細血管が衰えると、肌のしわやしみが増え、見た目が老けて見えたり、認知症のリスクも上がってしまいます。毛細血管は加齢などが原因でその数が減少していきます。
毛細血管に良い働きができるお茶は「ルイボスティー」です。
ほのかな甘みが特徴のルイボスティーは、南アフリカで生育されるルイボスの葉を使ったお茶です。
50代は30代の頃と比べ、毛細血管の外側にある壁細胞が約3割剥がれてしまいます。壁細胞が剥がれると毛細血管から血液が大量に漏れて、血管が死んでなくなってしまいます。そのため壁細胞が剥がれないようにすることが大事です。
ルイボスティーに含まれる抗酸化成分SODなどが、毛細血管の壁を強化し、なくなるのを防いでくれる働きを持っています。

便秘解消には「どくだみ茶」
腸が老けると体内にたまった毒素を排出できず、腸内環境が悪化します。その結果、腸内で発がん性物質などが増え、血液を介して全身に運ばれてしまいます。
腸の働きを活発にしてくれるお茶は「どくだみ茶」です。
どくだみ茶は、一説では「毒矯め」が転じて「どくだみ」に。昔は毒取り除くものと考えられていました。
どくだみ茶が腸にいい理由は、どくだみ茶の「クエルシトリン」が、腸のぜん動運動を促進して、体内の毒素を排出してくれるからです。
食べ物を摂取して体から排泄するには、尿、便、汗、髪の毛があります。髪の毛は全体の約1%で、約75%は便から排泄されます。つまり、毒素を排泄したいときは、便通を良くすることが大事になります。
便を体外へ排出する腸の動きがぜん動運動です。どくだみ茶のクエルシトリンは、ぜん動運動を活発にして、腸の動きをおだやかに、無理なく活発にして、体内の毒素を排出してくれます。
便秘の人は毒素をおなかにためているだけではなく、腸から吸収されるので、体の中を毒素がまわっている可能性があります。普通の状態に戻し、体の中から毒素を取り除いてあげると、健康長寿につながります。
その他のお茶の効果
紅茶」には「テアフラビン」という成分が含まれ、抗ウイルス効果が期待できます。約100万個のインフルエンザウイルスに紅茶を投与すると、99.999%ウイルスが死滅したという報告があります。
ウーロン茶」に含まれる「ポリフェノール」には、脂肪を分解して中性脂肪を減らす効果が期待できます。
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お茶は飲み方を間違えると健康効果が台無しになってしまいます。医学的に正しいお茶の飲み方が大切です。
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