2018年10月23日(火)放送の「林修の今でしょ!講座」にて、「健康長寿がよく飲むお茶ベスト10」が放送されました。
健康長寿1000人がよく飲むお茶ベスト10
1位 緑茶
2位 麦茶
3位 ほうじ茶
4位 ウーロン茶
5位 紅茶
6位 ルイボスティー
7位 玄米茶
8位 どくだみ茶
9位 プーアール茶
10位 ごぼう茶
この中から、健康長寿には欠かせないという5つのお茶を名医が厳選。医学的に理にかなったすごいパワーや、医学的に正しいお茶の飲み方を最新の研究を交えて徹底講義します。
緑茶にエピガロカテキンガレートが多い理由は製造工程にあります。それは発酵させないことです。緑茶やウーロン茶、紅茶などのお茶は、元々「チャノキ」という同じ茶葉から作られています。違いは茶葉を発酵「させる」か「させない」かです。ウーロン茶や紅茶には、茶葉を発酵させる過程があります。その過程でカテキンの量が少し減ってしまいます。しかし、緑茶は発酵させないのでエピガロカテキンガレートがたくさん残るのです。
エピガロカテキンガレートが多く出る緑茶の淹れ方
緑茶を1日5杯以上飲むと脳梗塞のリスクが低下する!
40~79歳の男女4万5000人を対象に、緑茶を飲む頻度と脳梗塞の関係を調査したところ、1日1杯飲む人と、1日5杯飲む人では、1日5杯飲む人の方が脳梗塞のリスクが低い(男性42%、女性62%)という結果が出ました。
トクホの緑茶は、人を対象とした実験で効果があると確認できたお茶なので、それだけ高く期待ができると考えられます。商品により異なりますが、カテキン量はトクホのお茶の方が急須のお茶より多いと言えます。また、トクホのお茶は、1日摂取目安量の3倍の量を飲んだ試験で安全性を確認しているので、3本までは飲めると考えられますが、カフェインが多いものもあるので1本程度が良い
でしょう。
緑茶を飲むベストタイミング
血管にコレステロールをためない、緑茶を飲むベストタイミングは食後3時間です。
食事でとった脂肪(コレステロール)が小腸から吸収されるタイミングを見計らって飲むのが大事だと考えられています。
食事のコレステロールは約3時間で小腸に到達します。このタイミングでコレステロールは小腸から吸収されます。そのため食後3時間経ったころに、小腸への吸収を抑えるエピガロカテキンガレートが豊富な緑茶を飲むことが理想的です。脂肪が小腸へ出る少し前に緑茶を飲むことで、脂肪の吸収がブロックされて便へと流れるのです。
このことから、午後3時のティータイムは医学的にも理にかなっているのです。
飲む以外で緑茶の栄養素を最大限にとる方法
飲む以外でエピガロカテキンガレートを最大限にとれる究極の方法は、お茶がらを食べることです。
淹れたお茶にはカテキンが約40%出ますが、お茶がらには約60%のカテキンが残っているのです。
お茶がらチャーハン、お茶がらスムージー、お茶がらの和え物、お茶がらの天ぷらなどアレンジして食べることができます。
お茶がらを食べることに抵抗のある人は、ティーバッグのお茶を飲みましょう。緑茶のティーバッグは、細かくすりつぶしているので、カテキンが出やすくなっています。また、お寿司屋さんのお茶には殺菌効果もあるので非常に良いとされます。
緑茶と相性の悪い食材は?
緑茶と相性の悪い食材はレバーです。
緑茶のタンニンは鉄分の吸収を抑制します。そもそも鉄分は体内に10%程度しか吸収されません。ただでさえ少ないのにタンニンで吸収を抑制してしまうと、小腸から吸収されずに流れ落ちてしまいます。特に貧血ぎみの方は、鉄分の入ったものとタンニンを一緒に摂らない方がいいでしょう。
睡眠に良い麦茶の作り方
麦茶のティーバッグはいつまでも入れておくのではなく、ある程度で取り出しましょう。市販の麦茶には、説明書きに取り出す最適な時間が書いてあることが多いので確認しましょう。
麦茶は飲むのはもちろん、香りを嗅ぐだけでリラックス効果が期待できます。
実際に水と麦茶の香りを嗅いだとき、リラックスしたときにでる脳波を測定したところ、麦茶を嗅いだときの方が、リラックス状態のときに出る脳波(α波)が多く出ることがわかりました。
麦茶のティーバッグを容器に入れっぱなしにしておくと、焦げ臭い香りに変わり、α波が出にくくなります。また、細菌が繁殖しやすくなります。清潔を保ち、香りを楽しむために、麦茶ができたらティーバッグはさっと取り除きましょう。
良い睡眠を促すのは「あたたかい麦茶」
あたたかい麦茶は香りがよく立ちます。さらに、体が温まると副交感神経が優位になり、気持ちが落ち着いて、からだもゆったりしてきます。
お茶に含まれるカフェインには覚醒効果や利尿効果があるので寝る前にはおすすめできませんが、麦茶にはカフェインがほとんどないので、寝る前に飲んでも大丈夫です。1杯程度を香りを楽しみながら飲みましょう。
また、ペットボトルの麦茶は、開栓して口をつけたら細菌がペットボトルに入るので、開けたその日のうちに飲みきりましょう。
ちなみに、リラックス効果の高い「ほうじ茶」は緑茶を高温で焙煎させたお茶で、200種類以上の香り成分が出ています。しかし、元々は緑茶なのでカフェインも多く、約2/3も残っています。寝る前は香りを楽しむだけにしましょう。
9月になるとちょっと寂しくなる人が増えて、10月になると外来のうつ病患者が増えます。これを「秋うつ」と言います。はっきりとした理由はわかりませんが、日に当たる時間が短くなることがうつ病を起こさせやすいと考えられています。
うつ病患者の最初の症状が不眠です。不眠が起こらないようお手伝いのひとつとして麦茶を楽しんでもらうという方法があります。
糖尿病とは、糖分が血管の中に多くありすぎて、血管の中がベトベトになっている状態です。動脈硬化など、さまざまな器官が障害を受けてしまいます。
そんな血糖値対策には「玄米茶」がおすすめです。
玄米茶の原料は玄米です。精米をしていない(=ぬかのついている)玄米を使ったお茶です。玄米のぬかの中に含まれる「ガンマオリザノール」という成分が、血糖値の上昇を防いでくれます。琉球大学の最新研究で、高血糖の改善効果があることが報告されています。
人は食事で糖質をとり、膵臓からインスリンが分泌して血糖値を正常に保ちます。ガンマオリザノールは、そのインスリンの分泌を促進する働きを持っています。
玄米茶は玄米と緑茶をブレンドしているので、血糖値対策につながるガンマオリザノールに加え、緑茶のカテキンも血糖値対策に期待できます。Wの効果で血糖値対策つながります。
玄米茶を飲むベストタイミング
血糖値の急上昇を抑えるために、玄米茶を飲むベストなタイミングは食前です。
食べた後に血糖値が上がるので、食事の前に飲むのがおすすめです。
ガンマオリザノールには、血糖値を下げるだけでなく、食欲を抑える働きも期待できます。そのため、糖尿病に良い予防法であると言えます。
ただし、作用は非常に穏やかで、薬ではありません。また効果に関してはまだ研究段階であるため、飲みすぎずに数杯にとどめた方が安心です。
玄米茶を使ったおすすめレシピ
血糖値対策におすすめは、玄米茶を使ったお茶漬けです。
お茶漬けの素にはよく玄米あられが入っているように、玄米茶を使ったお茶漬けもおいしいのです。白米を食べるときには、玄米茶漬けがおすすめです。