【林修の今でしょ!講座】みかんに秘められた健康パワー|効果をアップする食べ方&選び方

2018年11月20日(火)の「林修の今でしょ!講座」で、「みかんの知られざる健康パワー」について放送されました。

普段何気なく食べている「みかん」。実は血管や骨を強化する医学的に理にかなった食材だといいます。動脈硬化のリスク減少・糖尿病を防ぐなど、その「みかん」の知られざる栄養をご紹介します。

教えてくれるのは、旭川医科大学教授・太田嗣人先生です。

2016年の医師が選ぶベストドクターに選出されています。

みかんの「実」は動脈硬化のリスクを下げる!
動脈硬化にならないように、血管を老けないようにするには、血管をやわらかく保つことが大切です。
最新の研究で、1日3個のみかんを食べると、動脈効果のリスクを最大45%減少させるという結果が出ました。
みかんにはβ‐クリプトキサンチンが豊富に含まれています。β‐クリプトキサンチンは抗酸化成分で、血管の酸化を抑える働きが期待できます。その量はオレンジの約15倍も多く含まれ、柑橘類の中では日本のみかんは1番です。
さらに最新の研究では、冬の間にみかんを食べればβ‐クリプトキサンチンは1年もつことがわかりました。
食べた成分によっては身体に残るものと、すぐに出てしまうものがありますが、β‐クリプトキサンチンは、血液中に残りやすい性質があります。みかんを食べることで3か月~半年、体内に残るという研究結果があります。
つまり、春先まで食べれば、次のみかんの時期まで維持してくれるのです。
β‐クリプトキサンチンは1日に3㎎摂取すると血管に良い働きがあるとわかっています。そのためには毎日3個以上が必要になります。さらに、糖分の摂りすぎにならずに、効率よく摂取できるのは3個になります。
β‐クリプトキサンチンは、血管をしなやかにすることに加えて、糖尿病になる発症リスクも3個くらいで減少する研究結果もあります。これ以上になると果糖が多くなってしまいます。

甘いみかんは血管を老けさせない

甘いみかんほどβ‐クリプトキサンチンの量が多く含まれています。

では、甘いみかんの見分け方はというと、皮を見て、皮がシワシワのものが一番糖度が高く甘くなります。その次が、ヘタの軸が細いもの、ヘタの軸が太いものの順になります。

また、みかんを箱買いするときには、「秀」「優」などと書かれている側面の等級を見ます。
」は甘く、β‐クリプトキサンチンも豊富です。

食事の後にみかんを食べると吸収率UP!

β‐クリプトキサンチンは脂溶性です。
そのため、食事で摂った脂に溶けて、身体への吸収率が上がります。
また、サラダなどに入れるのもおすすめです。
β‐クリプトキサンチンがドレッシングの油に溶けて、吸収率がアップします。
朝・昼・晩、どの料理にも多少なりとも油は含まれているので、その都度食べることで吸収率もアップします。そのため、毎食後に1個食べましょう。
ただし、みかんを焼くことでβ‐クリプトキサンチンは壊れてしまいます。
冷凍みかんは、焼きみかんに比べるとβ‐クリプトキサンチンは壊れません。
ちなみに、手が黄色くなるのは柑皮症のためです。黄色はβ‐クリプトキサンチンの色です。つまり、β‐クリプトキサンチンが手の皮下組織にたまっているので、それだけ多く吸収していることになります。放置すれば自然になおります。
みかんの「実」は骨粗しょう症のリスクを下げる!
みかんを1日3個食べると、骨粗しょう症のリスクが低くなることがわかっています。最大で92%もリスクを下げます。
機能性表示食品」のマークがついているものは、「健康に役立つ」と表示することを消費者庁に申請し、事業者の責任において販売している食品です。
みかんの箱には「骨の健康に役立つβ‐クリプトキサンチンが含まれています」と表示されています。
骨はいつも代謝をしていて、破壊と再生を繰り返しています。加齢とともに、骨を破壊する細胞が活発になり、再生する細胞より強いので、回復がおいつかず、骨はボロボロになります。これが骨粗しょう症です。
β‐クリプトキサンチンには、骨の破壊する細胞を抑える働きが期待できるので、骨粗しょう症予防の期待ができるのです。

ビタミンCが骨を丈夫に保つ!

β‐クリプトキサンチンは骨を壊すのを防ぎます。

ビタミンCは骨を丈夫にします。

この2つの作用によって、骨を丈夫に保つことができます。

みかん×カルシウムは骨を老けさせない!

乳製品の脂質がβ‐クリプトキサンチンの吸収を助けて、骨を老けさせません。

みかん牛乳やみかんヨーグルトはβ‐クリプトキサンチンの吸収を高めてくれるので、とても理にかなった食べ物です。

また、牛乳には脂質を含んでいるので、朝食などで牛乳を飲んだあとにみかんを食べると骨を老けにくくします。

魚の脂質とカルシウムにみかんの組み合わせも、骨を老けさせません。

みかんの「スジ」は冷え性を防ぐ!
体温が1℃下がると免疫力は30%低下し、風邪やさまざまな病気のもとになります。
みかんのスジは、ポリフェノールの一種です。毛細血管を強くするヘスペリジンという成分です。
ヘスペリジンには、毛細血管の壁を強くする働きがあります。
毛細血管が強くなると、全身の血流が良くなります。その結果、冷え性の改善が期待できます。
また、みかんのスジに含まれるヘスペリジンが免疫力を上げるので、風邪予防にも期待できます。
ちなみに、ヘスペリジンは果肉には95㎎、スジには3800㎎含まれているので、果肉の40倍になります。
鮮度を保つには、みかんのヘタを下向きに置きましょう。水分の蒸発を防ぎます。
みかんの「皮」は肥満を防ぐ!
みかんの皮は陳皮(みかんの皮を干した漢方薬の原料)として、消化不良、胃酸過多、せき、冷えに効果があると言われています。
みかんの皮には嗅ぐだけで肥満を防ぐ、香り成分リモネンが含まれます。リモネンはみかんの皮に含まれる油成分です。
リモネンを嗅ぐと褐色脂肪を支配する交感神経が興奮します。すると体温が高まり、少し時間が経つと食欲を抑えます。さらに代謝が高まることで脂肪分解を促進します。
お風呂にみかんの皮を入れたり、皮を干してお茶に混ぜるのも効果的です。
また、リモネンには、柑橘系の香り成分による消臭効果や、抗菌効果で変色や傷みを防ぎます。
さらに、油を落とすパワーもあるので、油性マジックを落としたり、コンロなどの油汚れにも効果があります。
寒い冬を乗り切るために、1日3個のみかんを食べて、みかんパワーを活用しましょう。

0
スポンサーリンク
レクタングル




レクタングル




シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
レクタングル