【この差って何ですか?】半身浴にデトックス効果はない!?〔マッサージ・食事・入浴・運動〕最新の健康常識

2018年11月27日(火)の「この差って何ですか?」で、「昔の健康常識今の健康常識』の差」について放送されました。

「昔の健康常識」と「今の健康常識」の差

イライラするときはカルシウムをとると良い」と昔から言われていましたが、これは間違いです。今の健康常識ではイライラとカルシウムは関係ありません。

もし血液中のカルシウムが不足すると、骨に蓄えられているカルシウムから自動的に補填されるため、そもそも血液中のカルシウムは不足しません。

疲れた時は甘いものを食べると良い」と言われてきましたが、今の健康常識では「疲れた時に甘いものを食べるとかえって疲れる」と変わりました。

なぜなら、甘いものを食べると血糖値が急上昇しますが、その血糖値を下げる際に大量のエネルギーを使うので、食べる前より余計に疲れてしまいます。

このように、昔は常識とされてきた医療や健康法の中には、研究が進んだことで大きく変化したことがたくさんあります。

そこで、「マッサージ」「食事」「入浴」「運動」の昔と今の健康常識の差をご紹介します。

〔マッサージ〕足が疲れた時ふくらはぎを揉むのは危険!

ふくらはぎは「第2の心臓」と呼ばれ、心臓から脚まで下りてきた血液をふくらはぎの筋肉がポンプのような働きをすることで再び心臓まで戻すという役割があります。そのため、昔はふくらはぎを揉むことでポンプ機能が促進されて血行が良くなると考えられていました。

しかし、最近の研究では、ふくらはぎにある心臓に繋がる大動脈には血栓ができやすいことが分かってきました。
ふくらはぎの血管は、血液を体の下から押し上げる折り返し地点であるため、他の血管に比べて血流が悪く、血栓ができやすくなります

通常は血栓ができてもその多くは非常に小さいためそれほど心配はありませんが、ふくらはぎを揉むことで血栓が一気にはがれてしまうと非常に危険です。はがれた血栓が肺などの血管に詰まることで呼吸困難など命に係わる様々な症状を引き起こす危険性があるので、一日中座って仕事をしている人や運動不足、肥満の人は特に注意が必要です

ふくらはぎがだるい時は、揉むのではなくさするだけにしましょう。さするだけでも血行は回復します。

〔食事〕お酢を飲んでも体は柔らかくならない!

お酢を飲むと体が柔らかくなると言われたのは、料理をする際にお酢に肉を漬け込むと酢酸の効果で肉が柔らかくなることから、体も柔らかくなると勘違いされたことがきっかけです。

酢酸が肉を柔らかくするのは確かですが、あくまでも調理上の話。お酢の酢酸は体内に入ると胃や腸で分解されてしまうため、「お酢」を飲んでも体は柔らかくなりません。基本的に、何かを食べることで体が柔らかくなることはありません。

〔入浴〕半身浴にデトックス効果はない!

昔は長時間半身浴をして大量の汗をかくことで、汗と一緒に体内の老廃物を出すデトックス効果が期待できると考えられていました。

しかし、最近の研究では汗をいくらかいても老廃物を排出できないことが実証されています。体内の老廃物は主に尿や便から排出され、どんなに汗をかいても汗からの老廃物はわずか約0.02%しかありません。
しかし、半身浴に健康効果がないわけではありません。全身浴をすると水圧で胸囲が約2cm縮み、その結果心臓に負担がかかってしまいます。そのため、胸まで浸からない半身浴は、高血圧や心臓・肺の疾患がある方にはオススメの入浴法といえます。

〔運動〕運動前にストレッチをするとケガをしやすくなる!

今の健康常識では、運動前にストレッチをするとケガをしやすくなると言われています。

運動前のストレッチによって筋肉や腱がゆるみすぎてしまい、クッション性がなくなってケガをしやすくなると考えられています。

本来、筋肉や腱は伸び縮みすることで衝撃を吸収するクッションの役割をしてくれるのですが、運動前にストレッチをすると伸びきった状態で固まってしまうため、運動したときに衝撃を吸収できなくなるのでケガをしやすくなります。
運動する前は、筋肉を伸ばすストレッチではなく、筋肉を温める準備運動をすると良いでしょう。準備運動をすることで血流が良くなり、筋肉が温まって柔らかくなりケガの予防につながります。

ストレッチは運動後に行うのが良いです。運動後にストレッチを行うことで、筋肉に溜まった乳酸などの疲労物質が流れやすくなると言われています。

〔運動〕脂肪燃焼と時間は関係ない!

1970年代、厚生労働省が「健康のために必要な運動時間は1日20分以上」と提唱したのが、「脂肪を燃やすには20分以上の運動が必要」という勘違いの始まりと言われています。1990年代、エアロビクスなどの有酸素運動が流行った時代からこのような誤解が広がりました。
最新の研究では、運動直後から脂肪は燃焼することが分かっています。そのため、5分、10分などの細切れでもいいので運動することが大事です。

〔運動〕筋肉痛の遅れと年齢は関係ない!

昔は、老化によって細胞分裂の回数が減ることで筋肉の回復に時間がかかるので、筋肉痛が遅れてくると考えられていました。しかし、オーストラリアの研究で、筋肉痛は年齢には関係なく、運動の強さが一番関係していることが分かりました。

今の健康常識では、ジョギングなどの負担が小さい運動は筋肉痛が早く起こりやすく、腕立て伏せなどの負担が大きい運動の場合は筋肉痛が遅れてやってくると言われています。

強い運動で起こる筋肉痛は、筋肉を修復する際の炎症であり、すぐに痛みが来ません。筋肉に強い負担をかけると筋肉の中の筋繊維が傷つき炎症が起こるのですが、実は筋繊維には痛みを感じる神経がないためこの時点では痛みは感じません。その後、炎症が広まって、筋繊維を包む筋膜に届いた時にはじめて筋肉痛を感じます。

つまり、筋肉への負担が大きい運動は、運動をしてから痛みを感じるまでに時間差があるため、筋肉痛が遅れてやってきます
筋肉痛に年齢は関係なく、普段運動しない人は筋肉が細く弱っているので、筋繊維が傷つきやすく、筋肉痛が遅れてやってくると考えられます。

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