2018年11月2日(金)の「金スマ」で、「医者が教える食事術」が放送されました。
これまで良かれと思っていたことが実は間違っていて、さらに常識まで覆される医学的に見て正しい食べ方を、「医者が教える食事術」の著者で医師の牧田善二先生に教わります。
8位 太りたくないならむしろバターを摂りなさい!
食パンとクロワッサン。脂質が多いことで避けがちなのはクロワッサンですが、実はクロワッサンは食パンよりも太りにくいのです。
●バター100gあたりの栄養成分
脂質 81.0g
食塩 1.4g
たんぱく質 0.6g
糖質 0.2g
ナトリウム 0.55g
脂質はカロリーが高いと避ける人が多いですが、カロリーと肥満は関係ありません。太る原因は唯一、糖質(炭水化物)なのです。
人は糖質を多く摂ると、血中のブドウ糖が増え、血糖値が上がります。すると血糖値を下げるために分泌されるのがインスリンです。インスリンはブドウ糖をエネルギーとして使ったり、使いきれなかった分はどんどん脂肪として蓄えていきます。この余計な糖質が人を太らせる原因なのです。
しかし、バターには糖質が少なく、100gあたりわずか0.2g。その量はくるみ1個分相当です。食べ過ぎなければ太りません。
さらに、バターの脂には胃をコーティングして炭水化物(糖質)の吸収を抑えてくれる役割があるため、血糖値は上がりません。たとえば、バターを塗ったトーストが胃に入って、消化・分解されてブドウ糖になっても、脂でコーティングされた状態で、太る原因となる糖質の吸収をゆっくりにしてくれ、太りにくくしてくれます。
そのため、バターの量を比較すると差は歴然です。
・クロワッサン 18g(1食分あたり)
・食パン 2g(1食分あたり)
クロワッサンはバターのコーティングにより、糖質の吸収を抑えられて太りにくいのです。
実際に実験をしてみると、食パンを食べたあと90分後の血糖値は103と高め。クロワッサンを食べたあとはの血糖値は83と低い結果となりました。
食パンを食べるときに太りたくないなら、むしろバターを塗って食べるのがおすすめです。
7位 納豆に卵を入れるのは実は大損をしている!
納豆に生卵を混ぜ入れて食べると、納豆に含まれる美肌効果のあるビタミンBの一種「ビオチン」が損なわれてしまうのです。
ビオチンには、体内のコラーゲン生成の補助をしたり、頭皮の血行を促進させる役割があります。しかし、卵白に含まれる「アビジン」というたんぱく質が、ビオジンの吸収を阻害してしまいます。
そのため、納豆と卵白を混ぜてしまうと、納豆本来の栄養素が消えてしまいます。そのため納豆には全卵を入れるのではなく、黄身だけを入れて食べるのがおすすめです。
ちなみに納豆に含まれるナットウキナーゼという酵素は、納豆のネバネバの中に含まれていて、この粘りが食べた時の胃酸からナットウキナーゼを守ってくれます。そのため、粘りを消さないように、納豆を食べるときは最初に50回ほどかき混ぜ、ネバネバを十分に出した状態で黄身を入れてから軽くかき混ぜるのがベストです。
ちなみに、卵は1日に何個食べてもコレステロール値は上がりません。
2015年厚生労働省と日本動脈硬化学会は驚きの声明を発表しました。食事によってコレステロール値は大きく変わりません。
体内のコレステロール値の8~9割は肝臓で作られていて、食事で摂った量に応じて、肝臓は生産量を調整すると言います。体内にコレステロールが多く入ってくれば、肝臓は生産量を減らし、コレステロールが入ってこなければ、逆に生産量を増やします。こうしてバランスをとっているため、卵をはじめ、食事は体内のコレステロール値に影響がないことがわかりました。
6位 お刺身を食べるとき、わさびを醤油で溶くのは大間違い!
わさびに含まれる辛味の元「イソチオシアネート化合物」には、血流を改善し、血液をサラサラにする効果があります。わさびを1日たったの5g摂るだけで、その効果が期待できます。
しかし、イソチオシアネート化合物は水溶性のため、醤油に溶かすと流れ出てしまいます。溶け出たわさびでも血液サラサラ効果は期待できますが、醤油ごと飲むことはできないうえ、塩分の摂りすぎになります。
そのため、わさびを醤油で溶くのではなく、刺身に乗せてから食べるのがベストです。蕎麦を食べるときも、つゆに溶かさず、蕎麦の上にのせて食べましょう。
ちなみに、生わさびのすり方にはイソチオシアネート化合物を多く摂るコツがあります。わさびは太陽に向かって上へと育っているので、根っこの部分よりも茎の部分に栄養が多く含まれています。そのため上の方からすりおろすのが良いでしょう。
5位 銀杏は認知症の機能改善が期待できる
これまで銀杏は食べ過ぎると身体に毒だと言われていましたが、近年は認知機能の改善が期待できることがわかりました。
ポイントは銀杏の強烈な臭いである「酪酸」です。酪酸は体内に入るとケトン体という物質に変化し、これが脳を活性化させる栄養源になります。
ちなみに、銀杏は、封筒に入れて、電子レンジで600Wで1分間加熱すると簡単に割れます。
4位 緑茶はダイエット効果にも期待大!
緑茶に豊富に含まれている苦味成分のカテキンには、殺菌作用や脂肪燃焼効果がありますが、さらに最近では血糖値を下げることがわかりました。
つまり、緑茶を飲みながら炭水化物を摂取すると、糖分の吸収がゆるやかになり、太りにくいのです。
ちなみに、お茶の中でもカテキンを多く含むのは煎茶です。カテキンを最も多く摂れる最適な温度は70℃。1分間ほど蒸らしてから淹れるとより多く抽出できます。
3位 ヨーグルトは食後に食べないと効果減!
ヨーグルトに含まれるビフィズス菌は、整腸作用や便秘解消、ダイエット効果があります。しかし、ビフィズス菌は加齢とともに減少し、50歳を超えると幼少期の1/100以下になります。
ヨーグルトを食べるとビフィズス菌は増やすことはできるけれど、食前だとその可能性が減ります。
それは、ビフィズス菌は胃酸に弱いため、胃酸の強い空腹時にヨーグルトを食べても、ビフィズス菌が腸に届く前に死滅してしまうからです。
そのため、ヨーグルトは食後に食べましょう。食後の胃酸の中和された状態の方が、ビフィズス菌が死滅せず、腸に届く可能性が高いのです。
ただし、死滅したビフィズス菌は、善玉菌のエサになり、自分が持っているビフィズス菌を増やします。
活きたまま腸に届けたいなら、ヨーグルトの前に野菜を食べるのがおすすめです。野菜はアルカリ性なので、ビフィズス菌の効果もより期待できます。
2位 枝豆を茹でて食べるのはもったいない!
枝豆には脂肪燃焼をアップする成分の「コリン」と「オルニチン」を含みます。コリンは脂肪や糖分をエネルギーとして使います。オルニチンは脂肪を燃えやすくし、代謝を上げて、脂肪や糖分の燃焼を促進します。
しかし、コリンとオルニチンは水に溶けやすいので、茹でるとお湯に流れ出てしまいます。そのため茹でずに食べるようにしましょう。
茹でることしかやったことないという人には、焼き枝豆がおすすめです。
枝豆750gに、塩大さじ3杯をまぶし、魚焼きグリルにアルミホイルを敷いて枝豆を並べます。12分ほど焼けば栄養が流れ出ずにおいしくいただけます。
また、塩でもんだ枝豆を、7分間程度フライパンで蒸し焼きにするのもおすすめです。
1位 お酒が長寿の秘訣というのは本当だった!
実は今年になってお酒が体に良いという研究結果が出ました。
アメリカの研究では、1日1~2杯のお酒は長寿の秘訣であると発表。イギリスの研究では、1週間のアルコール量100g以下だと、脳卒中、動脈瘤、心臓疾患、死亡リスクが低くなると発表されました。
アルコール100gとは、1週間にワインならグラス5杯(1杯175ml)、1週間にビールなら缶7本(1缶350ml)です。
脂肪は体内で使い尽くされるので太りません。
食べた脂肪は「脂肪酸」になり、さらに「リポタンパク質」になります。これは、細胞の膜やホルモン、胆汁に使われます。使いきれずに余った脂肪は便として排出されるため太らないのです。
肉の脂肪は重病のリスクを減らし、健康で長寿でいられると考えられるため、むしろ摂るべきなのです。
ストレスがいろんな病気の原因になるので、ストレスを抱えるくらいなら健康を気にする必要はないと牧田先生はおっしゃっています。過度なストレスは避けて抱え込まないようにしましょう。
牧田先生の67万部ベストセラーはこちら