2018年11月4日(日)の「健康カプセル!ゲンキの時間」で、秋の味覚「きのこの健康パワー」について放送されました。
さつまいもに栗や梨、秋には美味しい食材が盛りだくさんですが、実はそれらの食材、糖質が多いものがほとんど。過剰に摂取すると糖尿病や動脈硬化の危険性まであります。しかし、中には健康効果バツグンの食材もあります。それが「きのこ」。秋の味覚・きのこの健康パワーをご紹介します。
色々なお悩みに効果バツグンの「きのこ四天王」
食物繊維を多く含むきのこ。余分な糖分や脂分を腸で絡めて排出してくれ、血糖値も上がりにくくします。きのこの種類によって効果は違いますが、どれも栄養価も高くて簡単に入手できるのがうれしいですね。
きのこ四天王の健康効果
●飲みすぎに「ぶなしめじ」
ぶなしめじに多く含まれるナイアシンが、アルコールの分解をサポートしてくれます。さらに、アルコールを代謝してくれるオルニチンという成分が、シジミのなんと5~7倍も含まれています。
*ぶなしめじは火力を強くした方が香ばしく焼きあがります。
●疲労回復に「しいたけ」
ビタミンB群には疲労回復効果があり、しいたけはきのこの中でもその含有量がトップクラスです。
*しいたけの石づき付近には、免疫増強効果が高いレンチナンが多く含まれています。しいたけは約2㎝ほど石づきを除けばぎりぎりまで食べられます。マッシュルームのように石づきがほとんどないものは、汚れをふき取る程度で食べられます。
*しいたけは基本的に裏で焼きます。すると水分がでてきます。その水分がなくなると食べごろです。
*天日干しの干ししいたけはビタミンDが豊富で、普通のしいたけと比べて約30倍以上含まれているので、骨粗しょう症の予防効果が期待できます。
*ちなみに、きのこの中でカルシウムの吸収を良くするのはきくらげです。
●風邪予防に「マイタケ」
免疫力を高めるβ-グルカンが豊富に含まれています。さらに、マイタケ特有のMDフラクションという成分も免疫力を高めてくれます。
●メタボ解消に「えのき」
えのきに多く含まれるキノコキトサンが、摂取した脂肪の吸収を抑え、分解を促進してくれます。また、血糖値の急激な上昇を抑える働きもあるので、メタボや動脈硬化などの生活習慣病の予防・改善が期待できます。
*きのこは洗わずに食べましょう!
現在売られているきのこのほとんどは、工場での菌床栽培です。この培地の中にきのこが育つ栄養素がたっぷり詰まっています。ぶなしめじの場合、温度・湿度が管理された部屋で約3週間育てられています。
きのこの栄養素は水溶性が多いので、洗うと流れ出てしまうものもあります。市販品は衛生面が整っているので洗わずに食べられます。できれば洗わないで食べましょう。
メタボや動脈硬化といった生活習慣病の予防・改善が期待できるスーパーきのこ「えのき」。健康効果をアップさせる食べ方をご紹介します。
●えのきステーキ
捨ててしまいがちなえのきの石づき付近ですが、実はここも食べられます。えのきは、重力の影響で下の方に細胞が密集するため、根元に近い部分ほど栄養価が高くなります。石づきを取り除いて、バターで焼き、醤油をひと回しすれば、えのきステーキの完成です。
●えのきのしゃぶしゃぶ
きのこに含まれるビタミンB群は水溶性のため、本来は味噌汁などの汁ごと飲める食べ方が理想ですが、しゃぶしゃぶのようにして食べるのもビタミンB群の減少が抑えられるのでおすすめです。
●えのき氷
えのきを製氷皿に入れて凍らせたえのき氷は、手軽にえのきの風味を味わうことができ、味噌汁やカレーをはじめ、どんなお料理にもぴったりです。
えのきに含まれるキノコキトサンは、細胞壁の中にあるため、よく噛まないと細胞壁が壊れずそのまま排出されてしまいますが、えのき氷のように細かくすることで吸収しやすくなります。特に、冷凍のまま熱い物の中にいれると細胞壁が壊れやすくなります。
そのほか、一定期間えのき氷を食べた人で、花粉症などのアレルギー性疾患に効果が出た研究もあります。
〈えのき氷の作り方〉
①えのき300g、水400ccを用意します。
②えのきは石づきを除いてざく切りにします。
③水と一緒にミキサーにかけます。
④鍋に入れて、弱火で1時間煮詰めます。
⑤あら熱を取って、製氷皿に移し、冷凍庫で凍らせます。
好きなときに取り出して料理に加えるだけで、栄養価をアップさせてくれるので重宝します。
健康効果倍増!きのこを使ったおすすめレシピ
それぞれのきのこと相性が抜群の食材を使ったおすすめレシピをご紹介します。
さばとブナシメジのアクアパッツァ風
サバに含まれるDHA・EPAが肝臓への脂肪の蓄積を抑制する効果があります。
栄養と旨味が溶けだしたスープも一緒に飲み干しましょう。
<材料(2人分)>
・サバ(半身):2切れ
・アサリ(殻付き):100g
・ブナシメジ:1パック(100g)
・ミニトマト:8個
・バジル:3~4枚
・お好みの野菜
・白ワイン:50cc
・水:100cc
・塩・黒コショウ:適量
<作り方>
(下準備)あさりは塩抜きしておきます。
①サバは塩を軽くふり、約10分くらいおいて水気が出てきたらキッチンペーパーでふき、一口大に切ります。ブナシメジは手でほぐします。
②フライパンでサバを両面焼きます(焼き色が付くまで)。
③白ワインを加えてアルコールを飛ばし、アサリと水を入れて蓋をして約5分煮ます
④ブナシメジと残りの具材を入れて蓋をして2~3分煮ます。必要であれば、塩・こしょうを加えて味を調えます。
マイタケとショウガの粕汁
ショウガは加熱すると免疫力を向上させるショウガオールという成分を生成させます。ただし、150℃を超えて加熱すると、その成分が損なわれてしまいます。
粕汁にすると身体も温まり、風邪の予防にも効果が期待できます。
<材料(2人分)>
・マイタケ:1パック(100g)
・大根:40g
・ニンジン:20g
・ショウガ(すりおろし):小さじ2
・だし汁:400cc
・酒粕:40g
・味噌:大さじ1
・塩:少々
・青のり:適量
<作り方>
①マイタケは手でほぐし、大根はいちょう切りに、ニンジンは半月切りにします。
②鍋にだし汁とショウガを入れて中火~弱火で約10分くらい煮ます(60℃を目安に)。
③酒粕、味噌、塩を加えて味を調えます。器に盛り付け、青のりをかけます。
しいたけとアーモンドのヘルシーチャプチェ
しいたけには疲労回復以外にも、ビタミンB2による美肌効果があります。さらにエリタデニンという成分が悪玉コレステロールを下げてくれます。
アーモンドに含まれるビタミンEは抗酸化作用が強く、美肌や悪玉コレステロールも低下にも効果的です。
アクセントのゴマに含まれるゴマリグナンにも、悪玉コレステロールを下げる効果があります。
<材料(2人分)>
・しらたき:2パック(400g)
・豚薄切り肉:100g
・しいたけ:6枚(120g)
・小松菜:1/4袋(50g)
・赤パプリカ:1/4個(40g)
・お好みの野菜
・アーモンド:20g
・ごま油:大さじ1
・オイスターソース:大さじ1
・しょうゆ:大さじ1/2
・塩・黒こしょう・白ゴマ:適量
<作り方>
①豚肉を小さめに切ります。しいたけ、赤パプリカを薄切りに、小松菜はざく切り、アーモンドは刻みます。
②しらたきは熱湯に通してアク抜きをします。フライパンを中火にかけ、油を入れずに空炒りし、水分が飛んだら皿にあけます。
③そのままのフライパンにゴマ油を入れて中火にかけ、豚肉を炒めます。火が通ってきたらしいたけ、小松菜、赤パプリカ、アーモンドを加えます。
④全体に火が通ったらしらたきを加え、調味料を入れて味を調えます。器に盛り付け、白ゴマを飾ります。
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秋はきのこが美味しくなる季節です。健康効果抜群のきのこをたっぷりとって、健康パワーを身につけましょう。
きのこを使ったレシピはこちら