2018年12月11日(火)の「林修の今でしょ!講座」で「医学的に正しいそばの食べ方」が放送されました。
細く長く、健康長寿を願って食べる「年越しそば」。年末にそばを食べるのは栄養学的にも理にかなっていると言われます。
そばには、他の穀類にはない、そばだけが持つすごい栄養成分も隠されています。しかし、ただ食べるだけではもったいない。少し作り方や食べ方を変えるだけでそばのパワーを最大限に発揮できるそうです。そこで、医学的に正しい食べ方や薬味・トッピングをご紹介します。

①「黒いそば」は血管を老けさせない!
そばにはたくさんの健康に良い栄養素が含まれていますが、なかでも特に血管に良いとされているのがルチンです。
ルチンは、活性酸素を減らす働きが期待できます。さらに、血圧を上げる酵素の発生を抑える作用も期待できます。
白いそばも黒いそばも同じそばの実から作りますが、白いそばはそばの実の真ん中の部分を使っているのに対して、黒いそばは外側の皮まで使って作ります。
ルチンは紫外線から守る日傘の役割をするので、実の外側に多く含まれます。
そのため、ルチンを豊富に含んでいるのは、外側まで使っている黒いそばになります。
つまり、二八そばより、十割そばの方がよりルチンが豊富で血管に良い働きが期待できるということですね。
ちなみに、実の内側はでんぷんが豊富なので、白いそばは黒いそばよりでんぷんが多くエネルギー補給に最適です。
②血管を老けさせないトッピング
①かきあげ
ルチンは熱を加えると一部がケルセチンに変化します。
そのケルセチンは、油と一緒に摂ると吸収率がアップします。
そのため、血管に良いルチンの吸収率を高めるのはかき揚げです。
かき揚げのたまねぎにもケルセチンは豊富なのでWの効果になります。
また、そばは脂質が少ないので、油ものをトッピングすると栄養バランスもアップします。
②大根おろし
大根おろしにはビタミンCが含まれています。
ビタミンCはルチンとの相性が抜群なので、相乗効果でルチンを活性化します。
すだちもビタミンCが豊富です。
③たんぱく質を逃さない作り方
たんぱく質はさまざまなアミノ酸が結合しています。
なかでも9つの必須アミノ酸がバランスよくふくまれているたんぱく質ほど筋肉になりやすい良質なたんぱく質といわれます。
そばはアミノ酸のバランスが非常に良く、肉や魚と同じです。
ただし、作り方を間違えるとたんぱく質が台無しになります。
そばのゆで汁には良質なたんぱく質が溶け出ているので、正しい作り方は、そばのゆで汁(そば湯)でつゆを作ることです。
こうすると良質なたんぱく質は逃しません。
余ったゆで汁は、ゆで汁をみそ汁のだし汁として使ったり、ごはんを炊く水として活用すれば、そばのたんぱく質を無駄なく摂取できます。
④筋肉を老けさせないトッピング
筋肉を作る効果がアップするトッピング「卵」です。
卵の黄身に含まれるビタミンDは、そばのたんぱく質とセットで筋肉をつくる効率をアップさせます。
運動後に傷ついた筋肉を修復してくれるので、運動後には月見そばがおすすめです。
山口県名産の瓦そばもおすすめです。
⑤筋肉をつくる効率がアップする薬味は「ごま」
ごまにはビタミンB6が含まれています。
たんぱく質の合成を促進するので、筋肉をつくる効率がアップします。
七味唐辛子にも含まれています。
⑥そばを食べるより良いタイミングは「朝食」
そばのでんぷんは、消化されにくいレジスタントスターチです。レジスタントスターチはゆっくり消化吸収されるので、血糖値が緩やかに上昇します。
そのため、朝に摂ると昼食までおながが空きにくくなります。
そばは消化が悪いと言われますが、レジスタントスターチの働きによって早食いによる血糖値の急上昇を抑える効果があります。
⑦血糖値上昇を抑えるのは「冷たいざるそば」
血糖値対策につながるレジスタントスターチは、加熱したあと冷ますことで量が増えます。
そのため、温かいかけそばより、冷たいざるそばの方が、血糖値上昇を抑えます。
一方、温かいそばは、体温が上がり免疫力がアップします。また、冷たいそばに比べて消化に良いのがメリットです。
★栄養学的に理にかなった冷たいそばの食べ方
●血流改善に良いわさびの6メチルという成分は水溶性なので、直接そばにつけて食べましょう
●めんつゆは塩分が多いのでひかえめにしましょう
⑧そばの栄養を最大限に摂る究極の方法
それは、そばの実を食べることです。
そばの実を20分間塩ゆでして乾燥させ、殻を取り除いて食べやすくしたのが「そば米」。自然食品売り場などで取り扱っているスーパーもあります。
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価格:457円 |
●そば米雑炊
<作り方>
①鶏肉・にんじん・たまねぎ・しいたけなど、お好みの具材を鶏がらベースのだしで煮込む
②ゆでたそば米を鍋に入れて、少し火を通す
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年末に最も老けやすい臓器は血管です。室内外の温度差で血管が収縮しダメージを受けやすくなります。この冬はそばの栄養成分を最大限にとって、血管も筋肉も老けさせないようにしましょう。
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