【この差って何ですか?】「お茶の種類による健康効果」の差

2018年7月3日放送の「この差って何ですか?」で、「お茶の種類による健康効果」の差が紹介されました。

お茶の樹からつくられているお茶はどれ?

「緑茶」、「ウーロン茶」、「紅茶」、「ほうじ茶」、「玄米茶」、「ジャスミン茶」、「プーアール茶」、すべて「カメリアシネンシス」というお茶の樹からつくられています。原料はすべて同じです。

なぜ味が違う?

味の違いは、「発酵時間」と「加工」の違いから生まれます。

まず「発酵時間」の違いで変化する種類、「緑茶」、「ウーロン茶」、「紅茶」。
「茶葉」は、摘むと「発酵」が始まります。「緑茶」は全く「発酵」させません。摘みとったらすぐに蒸したりして酵素を殺して、「発酵」をさせないようにするため「綺麗な緑色」になります。
ウーロン茶」は12時間「発酵」させます。そのため、茶葉が「少し黒っぽい色」になります。
紅茶」は13〜18時間「発酵」させます。そのため「赤っぽい色」になります。
「発酵」させるほどお茶本来の「渋み」が「甘み」に変化していくので、「緑茶」が一番渋く、「紅茶」が一番甘くなります。

次に、「ほうじ茶」、「玄米茶」、「ジャスミン茶」、「プーアール茶」。これらの原料は、実はすべて「緑茶」です。どのように「加工」するかによって、味が変わってきます。
ほうじ茶」は、「緑茶」を「ほうじ機」という機械に入れて約200℃で炒るため、非常に芳ばしい味わいになります。
玄米茶」は、「緑茶」の中に炒った「玄米」を入れているので、「玄米」の芳ばしい香りがします。
ジャスミン茶」は、「緑茶」の上に「ジャスミンの花」を敷き詰めて、さらに「緑茶」、「ジャスミンの花」と重ねて数時間置き、香り付けしたもの。桜など他の花でも香り付けすることができ、みかんの花などはとても良い香りになります。
プーアール茶」は、「こうじ菌」や「乳酸菌」などで1〜2ヶ月じっくり「緑茶」を発酵させ、さらに風味を強くするため1〜3年間寝かせて熟成させてできます。

脳梗塞をより予防するのは、「緑茶」、「紅茶」どっち?

お茶には、「脳梗塞」の原因である「悪玉コレステロール」を抑制する「エピガロカテキンガレート」という成分が含まれていますが、お茶の種類によって「エピガロカテキンガレート」の含まれる量が異なります。
「エピガロカテキンガレート」が最も多く含まれるのは、「緑茶」です。「緑茶」は7%も含まれています。「紅茶」は2.7%しか含まれておらず、その差は約2.5倍になる。「緑茶」は茶葉を発酵させないので、「エピガロカテキンガレート」が多く、「紅茶」は発酵させるので、酵素が働き「エピガロカテキンガレート」が少なくなってしまうためです。

「カテキン」には、さまざまな効果が!

カテキン」には、さまざまな健康効果があり、「抗酸化作用」「アレルギー予防」「高血圧予防」「肥満予防」「消臭効果」「がん予防」「認知症予防」「血糖値上昇の抑制」「整腸作用」などが期待できます。
国立がん研究センターの調査によると、毎日5杯以上緑茶を飲む女性は、「胃がん」になる確率が約21%以上低下。また、毎日5杯以上緑茶を飲む男性では、「前立腺がん」になる確率が約11%低下。これは、「カテキン」が、「がん細胞」の表面の膜につき、「死になさい」というシグナルを送り、「がん細胞」が自滅していくと言われています。「カテキン」は、腸から入って体中に回って、その局所に行って「がん細胞」を死滅させる働きをするのです。
厚生労働省の発表した「がん死亡率の少ない市区町村」をみると、男女とも上位5位に「緑茶」生産量第一位の静岡県の市区町村が複数入っています。毎日「緑茶」を飲むことが、「がん死亡率の低さ」に繋がっていると考えられています。

がん予防により効果的な「緑茶」を飲むタイミングは、「食前」「食後」どっち?!

「がん予防」には「食後」に緑茶を飲むと効果的です。

「がんの原因」のひとつとされているのが「活性酸素」です。体に必要なものですが、過剰にできると「がん」を促進したり、細胞にダメージを与えてしまいます。

「カテキン」は過剰にできてしまった「活性酸素」をやっつけてくれる働きがあります。食事をすると消化・吸収によって「活性酸素」が大量に発生しますが、食後に「カテキン」を体に入れることで、「活性酸素」をまとめて撃退してくれるため、「食後」に飲むのがいいとされています。

「緑茶」を飲む量は、1日に湯のみ5杯程度が良いとされています。

「カテキン」は体内に入っても2〜3時間で消滅してしまいます。また、食後の「緑茶」は、少しずつ飲むよりも一度に飲み干す方が、血中の「カテキン」濃度が高くなるため効果的です。(※熱いお茶の場合はやけどをしないようにご注意ください。ペットボトルを一気に飲むなど無理な飲み方はしないでください。)

効果的な「カテキン」摂取法とは?

茶がら」を食べることです。

「緑茶」を急須で入れると「カテキン」はお茶に40%出て、「茶がら」に60%残ることになります。また、「茶がら」には水に溶けない「ビタミンA」や「ビタミンE」が豊富に含まれているため「茶がら」を食べるのはとても健康に良いとされています
「茶がら」はそのままだと少し渋いので、お浸しのようにして食べると良いでしょう。「茶がら」急須1杯分にしょうゆ・かつおだしを大さじ1杯かけて、かつお節をのせれば完成。ご飯にのせて食べるのもおすすめです。1日6g程度食べると、ビタミン類も豊富に摂取できて良いでしょう。

かぜのウィルスを撃退できるのは、「緑茶」、「紅茶」どっち?

かぜ予防」には「紅茶」が効果的です。

「紅茶」には「テアフラビン」というかぜのウィルスを撃退する働きのある物質が含まれています。「紅茶」の赤い色の本体が「テアフラビン」で、非常に強い「抗菌力」「抗ウィルス力」を持っています。

「緑茶」は、緑色で「テアフラビン」は入っていません。「緑茶」でうがいをするのは「カテキン」の効果を得るためです。「テアフラビン」は、「カテキン」よりも強い効果があります。「紅茶」は発酵の過程で「カテキン」が「テアフラビン」に変化します。

「テアフラビン」は「インフルエンザウィルス」にも効果があると言われています。バイオメディカル研究所の調査では、約100万個の「インフルエンザウィルス」に「紅茶のエキス」を入れると99.9%死滅するというデータが得られました。「紅茶」に「お塩」を少し入れて、うがいをすると、「インフルエンザ」予防にとても効果があります。

飲むと寝つきが良くなるのは、「熱湯でいれた緑茶」、「水でいれた緑茶」どっち?

水でいれた緑茶」が、寝つきを良くするのに効果的です。

水でいれると「テアニン」という「リラックス成分」が出ます。「緑茶」には、眠気を覚ます「カフェイン」が入っていますが、「カフェイン」と「テアニン」が両方あると、「テアニン」によって「カフェイン」の効果が打ち消されるので、「水でいれた緑茶」はほとんど「カフェイン」の効果がなく、リラックス効果が得られるのです。
ちなみに、「テアニン」の「テア」は「ティー(お茶)」のことで、お茶以外に「テアニン」の入っている食品はありません。

同じお茶の樹から取れても、製造工程が違えば、色も味も健康効果も変わります。それぞれのお茶の持つ効果を知り、飲み分けることで、効率的に健康効果が得られます。

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