「寝ても疲れが取れない」「朝起きたら手足が硬直している」ということはありませんか?これは睡眠中に身体に力が入っているからかもしれません。力みは睡眠の質を下げてしまい、身体の不調にもつながってしまいます。
●自律神経の乱れ
睡眠時に筋肉が硬直してしまう原因には、過度のストレスや自律神経のバランスが崩れていることが多くあります。緊張していると身体の筋肉のこわばりが起き、血管が狭くなるので血行不良が起こります。血行が悪くなると筋肉や神経に酸素が行き届かなくなりこわばりが起きます。これが自律神経失調症です。外に出したい気持ちを抱え込んだままでいたり、強いストレスを感じたままでいると筋肉が緊張してしまい、うつ病になりやすくなってしまいます。
●体に合わない寝具
寝具が身体に合っていないことも原因のひとつです。枕や敷布団が身体に合っていないと、質の良い睡眠はとれません。やわらかすぎると寝返りが打てなかったり、逆に硬すぎると腰や背中に負担がかかり、身体を硬直させてしまいます。リラックスした状態で眠りにつくには、身体に合った寝具を選ぶことが重要です。
睡眠時に筋肉を硬直させないためには、安眠しやすい体勢をつくり、リラックスしておくことが大切です。
適度に運動して体を疲れさせておく
夜に副交感神経の活動が優位になることが良い睡眠につながります。そのためには日中にウォーキングなど適度な運動をして交感神経をしっかり働かせましょう。生活にメリハリをつけ体内時計を規則正しくすることで、交感神経から副交感神経への切り替えがスムーズになります。
夕食は3時間前までに
食べ物が胃にあると内臓が活動したままになってしまいます。消化を終えて体温が下がる3時間前までに済ませておきましょう。たくさん食べるのではなくやや空腹を感じるくらいにしておいた方が睡眠に入りやすくなります。
入浴して身体をあたためる
寝る1時間前までに、38~40度くらいのぬるめのお湯につかって体を芯まで温めましょう。温度が熱すぎると逆効果です。シャワーで済ませずにゆっくり10~15分ほど入ると効果的です。
ブルーライトは見ない
スマホやタブレットが発するブルーライトには睡眠サイクルをコントロールするメラトニンを抑えると言われています。寝る90分前には電源を切りましょう。
部屋の灯かりは暗めに
部屋の照明に間接照明などを使って光刺激を押さえることができると、リラックスを促す神経系が優位になり、リラックスした入眠を促すことができます。
楽しかったことを思い出す
ストレスが多いと感じている人は、寝るときに一日を振り返ってつらいことや悔しいことを思い出しているかもしれません。そんなときに睡眠中に歯をくいしばったり、首や肩に力が入るといったことが起こりやすくなります。寝るときは楽しいことを思い出してリラックスしましょう。
飲みものでリラックス
リラックス効果のある飲みもので心を落ち着かせましょう。紅茶やコーヒーなどカフェインを含むものは脳を興奮させてしまうので、夕食後はできるだけ飲まないようにしましょう。
●ハーブティー
副交感神経の働きをよくさせるハーブティー。睡眠効果や鎮静効果に優れているのはカモミール、ラベンダー、ミント、オレンジピールなど。好きな香りに包まれると気持ちも落ち着いてきます。
●ホットミルク
牛乳に含まれるセロトニンを材料としてメラトニンという睡眠ホルモンが作られることで安眠を促します。またカルシウムには交感神経の働きを緩和させてイライラを抑える働きがあり、タンパク質には鎮静効果があります。ホットミルクにして体温をあたためると安眠効果があると言われています。
それでも、いざ寝ようとすると筋肉が緊張してしまうこともあるでしょう。そのときは全身にわざと力を入れて緊張させたあと、思いっきり筋肉を緩めてみてください。また悪夢を見やすい人は、夢の影響を受けてこわばってしまうこともあります。軽いストレッチをして、好きな音楽を聴くなど、心地よい環境を作って眠るようにしましょう。