2019年1月29日放送の「林修の今でしょ!講座」で、「亜鉛の健康パワー」が放送されました。
最近サプリなどでも話題の「亜鉛」。亜鉛が体内で不足すると、風邪やインフルエンザのリスクが増加するだけでなく、抜け毛や肌荒れ、老化の原因にもなってしまいます。
そこで、亜鉛が多く含まれる食品や賢い料理法をご紹介します。
教えてくれたのは、亜鉛のスペシャリスト・日本亜鉛栄養治療研究会副会長・小野靜一先生です。
●抜け毛・肌荒れ
髪や肌は主にたんぱく質からできています。アミノ酸は亜鉛と融合することで、髪の毛に必要なたんぱく質に変わります。そのため不足すると抜け毛などが起きてしまいます。
また、メラニン色素を分解する酵素の働きに亜鉛を必要とするため、亜鉛が不足するとシミなどを起こしてしまいます。
亜鉛が不足するだけで、見た目にも老けてしまうのです。
●免疫力の低下
私たちの身体の中に入ってくるウイルスを攻撃する白血球にも亜鉛が含まれています。そのため不足すると、免疫力が低下してしまいます。冬の時期には、インフルエンザや風邪を引き起こす原因にもなります。
亜鉛を摂取したら、かぜの症状が続いた日数が短くなったという報告もあります。
亜鉛不足をチェック!
家庭でも亜鉛不足を簡単にチェックする方法は以下の通りです。
やり方はとても簡単!
コップ1杯(約200ml)の水の中に、約0.08gの塩を入れて飲むだけ。
普通の水と塩水を飲み比べて、もし味の違いがわからなければ亜鉛不足による味覚障害の可能性があります。
また、爪にできる白い斑点(亜鉛スポット)ができると、亜鉛不足のサインです。
亜鉛が不足する原因
亜鉛不足の原因のひとつには食事があります。
また、ストレスを受けると体内の亜鉛は減少します。
現代人はストレス社会で避けて通ることが難しいので、なおさら亜鉛を意識して摂ることが大事です。
亜鉛をためられる身体の中の主な貯金箱は「筋肉」です。
日頃から歩いたりして筋肉を使ったり、亜鉛が多い食事を週3回摂るだけでも貯金ができます。
ふだんから少しでも身体を動かして、貯金箱を大きくしておくことが大事です。
亜鉛は吸収されにくい栄養素。
摂り方に気をつけないと、吸収率が下がってしまいます。
★牡蠣
全食材の中で、亜鉛含有量No1!
養殖の生ガキ100g(5~7個)に、亜鉛は約14.5㎎含まれています。
正しい食べ方を知って、牡蠣の亜鉛を効率よく摂りましょう。
鍋にするならシメは雑炊!
亜鉛は水溶性なので、煮ると水に溶け出てしまいます。
そのため、牡蠣鍋などにしたときは、雑炊にして食べれば溶け出た亜鉛も摂取できます。
牡蠣飯でまるごと摂取!
溶け出た亜鉛を米が吸収するので、亜鉛を無駄なく摂取できます。
レモンで亜鉛の吸収率アップ!
カキフライは衣に包まれているので、亜鉛や他の栄養素も逃げにくくなっています。
さらに亜鉛の吸収率を高めるのはレモンです。
レモンに含まれるクエン酸が、牡蛎に含まれる亜鉛の吸収率をアップします。
牡蛎✖にんにく
牡蠣のガーリックソテーなど、牡蠣とにんにくの組み合わせは亜鉛を効率よく摂取できます。
にんにくに含まれるパントテン酸は、体内から亜鉛が減る原因のストレスを軽減してくれます。ストレスが減ると胃腸の働きが活発になり、亜鉛の吸収率もアップします。
▼亜鉛スペシャリスト・小野靜一先生のおすすめは「牡蠣の燻製油漬け缶詰」。
生牡蠣よりも多い、100gあたりに亜鉛が25.4㎎も含まれています。
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★肉
動物性たんぱく質と一緒に摂ると、亜鉛の吸収率はアップします。
カルビよりも肩ロース!
部位によって亜鉛の含有量は異なります。
筋肉が多い方が亜鉛が多く含まれるので、亜鉛がより多く含まれているのは、カルビよりも肩ロース。肩ロースはカルビの約1.5倍も含まれています。
他にも、肝臓やレバー、特に豚レバーには多く含まれています。
ピーマンで吸収率アップ!
ビタミンAを多く含むピーマンと一緒に摂ると、亜鉛の吸収率を高めてくれます。
ビタミンAには、体内に亜鉛をとどめる働きがあります。また、粘膜を保護する働きもあります。
亜鉛たっぷりのおつまみは「ビーフジャーキー」。
ビーフジャーキーには100gあたり約8.8㎎の亜鉛が含まれています。
アルコールは肝臓で分解されるときに亜鉛を消費するので、ビーフジャーキーはおつまみにぴったりです。
★卵黄
卵の卵黄に亜鉛が多く含まれています。
卵黄の亜鉛の含有量は約4.2㎎。
卵白にはたんぱく質が亜鉛の吸収を助けてくれるので、全卵で食べると効率よく摂取できます。
オムレツ
たまねぎ・ピーマン・しいたけ入りのオムレツは、効率よく亜鉛が摂取でき、かぜ予防にもおすすめです。
たまねぎのビタミンB群がストレスを軽減し、ピーマンのビタミンAが亜鉛の吸収率をアップ、しいたけのビタミンDは免疫バランスを保ってくれます。
★サプリメント
食事だけでは不足する亜鉛を、サプリメントで補うのはOKです。
しかし、薬やサプリメント・亜鉛強化食品だけで摂りすぎると、銅の吸収が妨げられ、貧血などの症状が出る場合もあります。
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ふだんの食事をちょっと意識したり、サプリで補ったりと、亜鉛は簡単に補給することができます。見た目を若々しく保つためにもぜひ積極的に摂取するようにしましょう。