息切れ・めまい・疲れやすい…ふらふらすると思ったら、貧血の症状・原因・食事に注意

くらっとしたり、めまいがしたり、元気が出ないときには、「あれ、貧血かな?」と思う人も多いでしょう。貧血はすごく身近すぎて軽く考えてしまいがちだし、もちろん細くて色白の人だけの病気ではありません。まずは正しい知識を身につけましょう。

貧血とは

私たちの身体の中に赤血球は20兆個以上もあり、身体中の細胞に酸素を運ぶ働きをしています。

貧血とは血液中の赤血球が基準値よりも減少した状態をいいます。赤血球が少なかったり、うまく働けなくなったりすることで体内の細胞が酸欠状態になるため、いろいろな症状が現れます。

貧血には、鉄欠乏性貧血、溶結性貧血、巨赤芽球性貧血、再生不良性貧血などがあります。

・疲れやすい

・息切れ

・めまい

・動悸

・頻脈

・耳鳴り

・顔色が悪い

・頭痛

・爪がスプーンのように反り返る

これらの症状が頻繁に起こったら貧血が疑われます。

急に貧血が起こると症状が出やすいですが、徐々に程度が下がってくると身体が慣れてしまって、症状として出にくくなるので注意が必要です。

鉄欠乏性貧血

最もよく見られるのは鉄欠乏性貧血です。

血液は骨の中にある骨髄で作られます。体の中で酸素を運ぶのは赤血球に含まれるヘモグロビンです。ヘモグロビンは鉄を材料として作られます。そのため鉄が不足すると作られるヘモグロビンの数が減り、酸素を運ぶ機能が低下してしまいます。すると、疲れやすい、息切れ、めまいなどの症状があらわれます。これが鉄欠乏性貧血です。

原因

鉄が失われる原因で一番多いのは出血です。特に生理によって毎月血液を失う女性の15~20%が貧血であるともいわれます。閉経後の女性や男性の場合は消化管出血が疑われます。

通常月経による出血で鉄が失われても食事によって鉄不足は補われるので鉄不足は起こりませんが、過多月経の場合、出血で失われる鉄分が多すぎて食事では補いきれなくなります。

予防法

鉄は体内にも蓄えられているため、鉄分摂取が不足してしまってもすぐに症状は現れません。しかし、一度体内の鉄分が不足してしまうとすぐには補充できないのも特徴です。よって、日頃からバランスよく鉄分を摂取することを心がける必要があります。

1)規則正しく1日3食

必要以上のダイエットや食事を抜くことが貧血の原因になります。

2)鉄分の摂取

鉄欠乏性貧血は毎日の食生活から鉄を摂取することで防ぐことができます。

●鉄分の多い食材

レバー(豚)   鉄6.5㎎(50gあたり)

牛もも肉     鉄7.0㎎(250gあたり)

ほうれんそう   鉄2.0㎎(100gあたり)

こまつな     鉄2.8㎎(100gあたり)

だいこんの葉   鉄3.1㎎(100gあたり)

あさり      鉄3.8㎎(可食部100gあたり)

かき       鉄1.9㎎(可食部100gあたり)

米味噌      鉄4.0㎎(100gあたり)

木綿豆腐     鉄0.9㎎(100gあたり)

納豆       鉄3.3㎎(100gあたり)

3)ビタミンの類の摂取

●ビタミンC

食材に含まれる鉄分には2種類あります。レバーや肉などに含まれる「ヘム鉄」は吸収しやすく、野菜類や大豆などに含まれる「非ヘム鉄」は吸収しにくくなっています。この「非ヘム鉄」の吸収を助けるために、ビタミンCの摂取が不可欠です。そのためビタミンCを多く含む新鮮な野菜や果物を一緒に摂るようにしましょう。

ビタミンB12と葉酸

ビタミンB12と葉酸は、正常な赤血球を作るために必要な栄養素です。極端な偏食や大量飲酒は葉酸欠乏になります。
・ビタミンB12の多い食材:牛レバー、豚レバー、魚介類、貝類、卵黄、チーズなど

・葉酸の多い食材:牛レバー、豚レバー、卵黄、大豆、納豆、ほうれん草、ブロッコリーなど

4)良質のたんぱく質の摂取

たんぱく質は血液中の赤血球やヘモグロビンの材料となる大切な栄養素です。魚介類、肉類、卵、大豆製品、乳製品などです。一度にたくさん摂取しても体の中に蓄えておくことができないので、毎食摂り入れるようにしましょう。

鉄分がそれでも不足する場合は、鉄剤を飲んで鉄分を補充します。個人差がありますが、2~3か月で改善してきます。まずは専門医で受診しましょう。

急に立ち上がったり、ずっと立ちっぱなしで倒れてしまったという症状は、脳貧血といいます。一時的に血圧が下がり、脳に十分な血流が行かなくなることで、目の前が暗くなったり、目がチカチカします。

脳貧血は起立性低血圧や血管迷走神経失神が原因であるため、貧血とはまったく異なります。脳貧血は血液を調べても異常はありません。



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