便秘が何日も続くとおなかが張って苦しくなったり、吐き気がしたり、気分も悪いままが続いてストレスも溜まってきます。
便秘をしっかり治すには正しい生活習慣が大切です。しかし、どうしても下剤を使わないといけないこともありますよね。
下剤を選ぶときには、自分の便秘の症状に合ったものを選択することが大切です。
もし、合わない下剤を服用してしまうと、効き目が悪かったり、逆に悪化したり、下痢になったりすることもあります。
医師の処方を受ける場合は別ですが、薬局・薬店などで市販薬を購入する際は、どんな成分が含まれているのか、どんな症状に適しているのかを絶対に確かめるようにしましょう。
便秘を改善するには以下の3点が必要です。
(1)便のかさを増やす
(2)便を適度な柔らかさにする
(3)便を押し出すための腸の適度な動き
下剤の種類を大きく分けると、大きくは「機械性下剤」と「刺激性下剤」の2種類に分けられます。
塩類下剤
薬の成分による浸透圧によって腸管内の水分量を増やし、便をやわらかく増大させて便意を促進します。
・多量の水分と一緒に服用すると効果的
・習慣性がなく長期間投与可能
■成分:酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム
■市販薬:スラーリア便秘薬、3Aマグネシア
膨張性下剤
薬剤が多量の水分を含んで膨張するため、便を柔らかく増大させてぜん動運動を促進します。
・小食が原因などで便の量が少なく便秘になっている場合に大きな効果を発揮
・他の下剤と併用されることが多い
■成分:カルボキシメチルセルロース(バルコーゼ)など
■市販薬:新ウィズワン、コーラックファイバー
糖類下剤
服用すると無変化のまま大腸に届き、浸透圧作用で排便を促します。
また、腸内で善玉菌に分解されると腸内が酸性の状態となり悪玉菌を減らす効果も期待できる。
比較的、安全性が高いとされ子供の便秘薬としても多く処方される。
■成分:ラクツロース
■市販薬:マルツエキス
浸潤性下剤
界面活性作用により、便の中に水分を含ませて柔らかくします。
・作用が弱いので、刺激性と併用されることが多い
■成分:ジオクチルソジウムスルホサクネート
■市販薬:スルーラックプラス、コーラックⅡ、オイルデル
小腸刺激性下剤
小腸の粘膜を刺激して排便を促します。
・連用するうちに増量しないと効かなくなる
・妊婦は注意が必要
・現在はほとんど使用されない
■成分:ヒマシ油
■市販薬:加香ヒマシ油
大腸刺激性下剤
大腸の粘膜を刺激して排便を促します。
・効果が大きく、習慣性や副作用も強い
■成分:センナ、ダイオウ、センノシド、アロエなど
■市販薬:コーラックハーブ、スルーラックS、ビオフェルミン
漢方
高齢者や虚弱体質の人の場合、消化器官機能を改善することで下剤を減らすことが可能です。
■成分:大建中湯、大黄甘草湯、麻子仁丸など
■市販薬:大黄甘草湯、タケダ漢方便秘薬
肛門から注入し、直接大腸を刺激してぜん動運動を誘発します。
・即効性があり、数分~30分ほどで効果が現れる
■成分:酸炭酸水素ナトリウム、ビサコジル
■市販薬:ウイズワン坐剤、ベンツナール坐薬
直接直腸を刺激するグリセリンや、大腸を刺激する作用のあるヒザコジルなどの成分により、腸のぜん動運動を高めて排便を促進します。
・排便のタイミングをコントロールできるので、子どもから高齢者まで使用可能
■成分:グリセリン
■市販薬:イチジク浣腸、コトブキ浣腸
便秘薬・下剤は便秘の症状に合ったものを、用量・用法を守って服用しましょう。守らずに使用するとかえって悪化させてしまうことがあります。また、ひどくなると下剤がないと排便できなくなってしまうので気をつけましょう。