「市販の便秘薬をずっと使っているけど効かなくなった」「強い薬は常習性がこわくて手が出せない」「下剤を乱用してお通じが悪くなった」など、便秘は治したいけど市販薬はちょっと…という方には、漢方を試してみることをおすすめします。
1)弛緩性便秘
腸管の動きが悪くなる弛緩性便秘。腸管の緊張がゆるんだり、筋力が低下して、大腸のぜん動運動が十分行われなくなることで、大腸内に便が長くとどまります。食生活が不規則な人や食事量が少ない人、運動不足な人に多いタイプです。
●おすすめ漢方:大黄を含む漢方薬がよく使われます。
大黄甘草湯:便秘のほかに症状がみられない
調胃承気湯:おなかにかたい張りがある、口が渇く
大承気湯:おなかが張った感じがする
麻子仁丸:便が硬い、吹き出物、食欲不振
防風通聖散:皮下脂肪が溜まった肥満型、高血圧、尿量が少ない
当帰芍薬散:冷え、むくみ、貧血やダイエットによる便秘
2)けいれん性便秘
腸管が緊張して便がうまく運ばれなくなるけいれん性便秘。自律神経のバランスが崩れたり、過敏性腸症候群に多くみられます。神経質な人やストレスの多い生活をしている人になりやすい便秘です。
●おすすめ漢方:芍薬を含む漢方薬がよく使われます。
小建中湯:疲労感、おなかが痛い、冷え、下痢や便秘を繰り返す
桂枝加芍薬大黄湯:便意はあるが出ない、おなかが痛い、残便感がある
3)直腸性便秘
便意の抑制を繰り返すことで次第に便意が起こらなくなる直腸性便秘。直腸内に便が滞留して排便ができなくなり習慣化します。不規則な生活による不規則な排便習慣、日常的に便を我慢する習慣などで便意を抑制する人に多いタイプです。
●おすすめ漢方:弛緩性便秘同様、大黄を含む処方が使われます。
乙字湯:便が硬くて切れ痔がある
上記はほんの一部になりますが、漢方は体質や症状ごとにたくさんあります。便秘だけではなく、体調全体のことも考えながら選んでいきましょう。