2018年12月11日(火)の「林修の今でしょ!講座」で「2種類の甘酒を賢く飲み分けて冬の大敵を防ごうSP」が放送されました。
これからの季節に飲む機会が増える甘酒。甘酒は、かぜやインフルエンザ、高血圧、乾燥肌、肥満など、冬の大敵を防ぐ救世主でもあります。
そんな甘酒は、米麹からできる甘酒と酒かすを使った甘酒と、大きく分けて2種類あります。この2種類の甘酒のすごいパワーをご紹介します。
教えてくれるのは、金沢工業大学・応用バイオ学科教授・尾関健二先生です。
「米麹甘酒」は免疫力アップの最強ドリンク!
米麹甘酒は「飲む点滴」とも言われているほど、免疫力をあげる栄養素が豊富に含まれています。ブドウ糖・オリゴ糖・アミノ酸・ビタミンB群など、善玉菌のエサになる栄養素が多く含まれています。
腸に70%もある免疫細胞は、善玉菌が増えると活性化します。
そこで米麹甘酒の豊富な栄養を与えると善玉菌が増え、免疫力がアップして、感染症を防ぐことが期待できるのです。
米麹甘酒が栄養豊富な秘密「米×麹菌」
麹菌は、米のでんぷんやたんぱく質は食べられないため、これらを分解する酵素を出します。麹菌の酵素が分解することで、でんぷんはブドウ糖に、たんぱく質はアミノ酸になります。
つまり、米の成分を麹菌の酵素が分解することで、免疫アップの栄養素が増えるのです。
かぜをひいた時こそ米麹甘酒!
人は食べ物を唾液や胃液などの消化酵素で分解します。
米麹甘酒は、栄養素がすでに分解されているため、栄養をそのまま吸収できます。そのため、豊富な栄養をすぐに吸収でき、回復に役立ちます。
熱を加えると麹菌は基本的に死にます。
しかし、市販の米麹甘酒は、麹菌がすでに栄養を分解しているので、熱くしても問題ありません。
ペプチドが血圧上昇を抑制!
麹菌が米のたんぱく質を分解する酵素を出します。たんぱく質はアミノ酸へと分解されます。しかし、たんぱく質を細かく分解しないものもあり、いくつかつながったものがペプチドになります。
このペプチドには、血圧上昇に関わるホルモンを抑制する働きがあります。
血圧を上げるホルモンが活発なのが朝。
そのため、米麹甘酒を朝に飲むと、血圧上昇を抑制する働きがアップします。
「ヨーグルト×米麹甘酒」で血管を老けさせないWパワー!
ボストン大学の研究では、7万人以上の調査で、ヨーグルトを食べることで高血圧による心筋梗塞などのリスクが下がったと発表されています。
米麹甘酒とヨーグルトを一緒に食べることで、血管を老けさせないWのパワーが期待できます。
食べ方は、無糖ヨーグルトと米麹甘酒を1:1の割合で混ぜるだけ。
ポイントは甘味を十分に含んだ米麹を入れることです。
「酒かす甘酒」で肥満解消!
酒かすは日本酒を絞ったあとにできる絞りかす。酒かす甘酒は、日本酒本製造過程えきた酒かすに砂糖を加えて、お湯で溶いたものです。
この搾りかすに脂の吸収を抑える成分が秘められています。
米麹に清酒酵母を入れると、米麹のブドウ糖をアルコールに分解します。さらに分解し続けることで、レジスタントプロテインという体内で吸収されにくいたんぱく質になります。このレジスタントプロテインは食事で摂った脂を包み込んで体の外に排出します。
●酒かす甘酒には糖質が含まれているので、適量は200~300ml(1日1杯)です。
●食事と一緒に飲むとより効果が発揮できます。
肌に良いコラーゲンが増える!
加齢によるコラーゲンの減少は肌を老けさせます。
しかし、酒かす甘酒を飲むことで、肌に良い成分コラーゲンが増えるという研究結果を尾関先生自身が発表されました。
40~50代の女性に、1日朝・晩1杯の酒かす甘酒を、1週間だけ飲んで肌のコラーゲン量を測定するという研究を行ったところ、コラーゲン量は増量しました。その後、飲むのをやめても、効果は持続しコラーゲン量は増え続けました。
これは、米麹と清酒酵母を混ぜた時に生成される、コラーゲン生成を活性化させるα‐EGによるものです。α‐EGは真皮を活性化し、コラーゲンを増やし、もちもちの肌を作ります。
α‐EGの効果は1か月は持続するというデータがあるので、飲み続けると効果も継続します。
●肌細胞をつくる夜に飲むのが良いでしょう。
●糖質の取りすぎになるため、適量は1日200~300mlです。
「酒かす甘酒×しょうが」で肌をもっと老けさせない!
「しょうが入り酒かす」は熱した酒かす甘酒に、しょうがを皮ごとすって入れるだけ。
しょうがに含まれる辛味成分ジンゲロールが加熱することによって、ショウガオールに変化します。ショウガオールは強い抗酸化作用があり、肌が老ける原因の1つである酸化から肌を守る作用があります。
ポイントは、ショウガオールは皮に多いため、しょうがは皮ごとすりましょう。
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米麹甘酒を朝飲んで、夜は酒かす甘酒を飲むのがベストですね!