2019年3月12日(火)の「林修の今でしょ!講座」で、「心臓・血管を守る!正しいお風呂の入り方」が放送されました。
近年の医学界においても、入浴は最高の健康法だと言われているそうです。
しかし、お風呂は正しい入り方をしないと、せっかくの健康パワーが台無しになってしまうとのこと。
そこで、医学的に正しい入浴法をご紹介します。

2018年の最新研究では、毎日お風呂に入ることで、将来「要介護」になるリスクが29%減少したと発表されました。
しかし、お風呂の健康効果は正しい入り方をしてはじめて効果があらわれます。
たとえば、お湯の温度が1℃違うだけで、身体に与える影響が違います。
血管を丈夫にするお湯の温度は40℃!
丈夫な血管を作るには、お湯の温度は40℃が最適です。
40℃のお風呂に入ることで、血管の中にあるt-PAという成分を増やしてくれるからです。
t-PAとは、血管にできた血栓を溶かす成分です。血栓は動脈効果の要因となるもの。そのため血栓対策にはt‐PAはかかせない成分になります。
t-PAは、約40℃のお風呂に浸かることで増加します。
お風呂に浸かって体温が37~39℃になるとt-PAが活性化し、より血管を丈夫にしてくれます。そのため40℃のお風呂はちょうどよい体温を長時間キープしてくれる、最適な温度なのです。
ちなみに、医学的には熱いお風呂に入ってもメリットはありません。
42℃以上のお風呂に入ると、血管を痛めてしまいます。また、脈が早まったり、汗をかきすぎたり、筋肉が硬直したりもします。
さらに、42℃のお風呂はt‐PAを抑制してしまいます。
どうしても熱いお風呂に入りたい人は、ぬるめのお湯から入って、徐々に温度を上げていけば、血管の負担を軽減できます。
また、シャワーだと、体温が十分に上がらないので、血管を丈夫にする効果は期待できません。
お風呂にしっかり浸かることで、温熱作用(お風呂で手足を温めると血管が広がる)と静水圧作用(体に水圧がかかり、手足に溜まった血液を押し戻す)の2つの効果が得られます。この2つの効果とt‐PAの増加で、より血管を元気にします。
血管を丈夫にする入浴時間は10分!
血管に負担をかけず、t‐PAを増やす最適な入浴時間は10分です。
血管に関しては10分以上の入浴は効果がありません。
10分以上入ると、脱水状態になるので、血栓ができやすくなり、動脈硬化のリスクが上昇してしまいます。また、長時間浸かると乾燥肌の原因になってしまいます。
脱水症状を防ぐには、入浴前にコップ1杯の水を飲みましょう。
ちなみに半身浴にダイエット効果は期待できません。
半身浴で体重が減っているのは汗として水分が出ただけです。
入浴前にコーヒーを飲む!
お風呂に入る前に飲んだ方がいいのはコーヒーです。
コーヒーに含まれるカフェインには血行促進の効果があり、血管を丈夫にしてくれます。さらに、入浴前に飲むことで、カフェインの吸収率がアップし、血行促進の効果がさらにアップします。
ちなみにお風呂上がりは牛乳を飲むのがおすすめ。
牛乳に含まれるビタミンAが乾燥肌を予防し、ミネラルやたんぱく質が入浴後の脱水症状を防ぎます。
おすすめの入浴剤
血管を丈夫にする入浴剤は、炭酸系の入浴剤と塩風呂です。
炭酸風呂は、二酸化炭素が毛細血管を広げ、血行を促進します。炭酸ガスが皮膚から浸透し、毛細血管を拡張するので、デトックス作用があります。
塩風呂は、肩こりやむくみの軽減、冷え性予防に効果的です。
入浴による血行促進で、脳への血流が良くなり、認知機能の低下を防ぐ効果が期待できます。
これは、お風呂に入ることで身体と脳をリラックスさせると、脳の認知機能をつかさどるアセチルコリンが増えるからです。
このアセチルコリンとは、脳の認知機能を正常に保つために欠かせないホルモンで、認知症はアセチルコリンの減少が要因の一つだと言われています。
歌をうたって認知症のリスクを減らす!
認知症のリスクを減らすには、お風呂で歌を歌うのがおすすめです。
歌を歌うと自然と呼吸回数が増えるので副交感神経が活発になり、リラックス効果が高まることで、よりアセチルコリンが増えます。
また、音楽を聴くだけでもリラックス効果は高まります。
お風呂で読書をする人も多いかもしれませんが、目を使うことで集中してしまい、リラックス効果は期待できません。お風呂では目を休ませ、脳をリラックスさせましょう。
照明を暗くし、目を休ませるのもポイントです。
足の裏マッサージで効果アップ!
お風呂で足の裏をマッサージすると、全身に血液がめぐり、身体があたたまります。体温を上げるとリラックス効果が高まり、よりアセチルコリンの分泌がアップします。
また、入浴中の歯磨きは副交感神経が活性化し、リラックス効果があります。歯や歯肉に刺激が加わり、血行かよくなり身体もあたたまります。もちろん、アセチルコリンも増やしてくれます。
約3分間のはみがきがおすすめです。
また、ゆずに含まれるリモネンはアセチルコリンの減少を抑制するので、ゆずのお風呂もおすすめです。
お風呂は食事の前に入りましょう。
入浴すると胃の血液が減少し、消化不良をおこす可能性があります。
食後の場合は最低でも30分~1時間はあけましょう。
飲酒後は身体の水分を失い、血中アルコール濃度が上がるので、お風呂に入るのはやめましょう。
運動した後は30分~1時間後の入浴がベスト
運動した後に入るお風呂のタイミングは、運動後の入浴は30分~1時間後に入りましょう。
運動後は傷ついた細胞は熱を持っているので、冷やして修復するのが先決です。その後お風呂に入り、筋肉を温めることで、収縮していた血管が広がります。収縮と拡張で、筋肉と血管のマッサージとなり、疲労が回復します。
ぐっすり眠るには寝る2時間前に入浴
湯冷めしないようにと、睡眠前に入浴する人も多いかもしれませんが、睡眠にはよくありません。
入浴後は脈拍が上がり、興奮状態となりなかなか寝付けません。快眠の妨げとなり、疲労が蓄積することがあります。
入浴で上がった体温が、寝るのに最適な体温に下がるのは2時間後。そのため、睡眠の2時間前に入浴するのがベストです。
背中を入念に洗って体温を上げる!
肩甲骨まわりには多くの筋肉が集中しているため、動かすことで温められた血液が全身にめぐり、より体温が上昇します。
そのため、背中を念入りに洗うことで、効率よく体を温めることができます。
また、乾布摩擦で背中を刺激することで、体温が上昇します。
40℃のお風呂ではあたたまらないかもと心配な人はぜひ試してみてください。
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これまで熱いお風呂に入っていたり、長時間の半身浴をしていた人も多いのではないでしょうか。
お風呂に観葉植物を置いたり、照明を暗くしたりして、10分間の入浴時間をより快適にしてリラックスできるようにしましょう。
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