2019年1月8日(火)の「林修の今でしょ!講座」で「医学的に正しいりんごの食べ方」が放送されました。
秋から冬にかけてがりんごの旬。りんごには、血管や腸にいい働きが期待できる栄養成分がたっぷりです。しかし、食べ方を間違えると栄養効果が減ってしまいます。そこで、医学的に正しい食べ方をご紹介します。
栄養を無駄にしない切り方
りんごの皮にはポリフェノールの一種のプロシアニジンが多く含まれています。
プロシアニジンは、悪い物質が血管を傷つけるのを防ぐ働きがあるため、血管に脂肪がたまりにくくなり、動脈硬化を起こしにくくします。
そのプロシアニジンは、りんごの実と比べると皮に約4倍も多く含まれています。そのため、りんごは皮をむかずに食べるのがおすすめです。
血管のためによい食べ合わせ「りんご✖酢」
お酢の「酢酸」には、血管を広げる働きが期待できます。
そのため、りんごと組み合わせるとWの効果で血管に良いことが期待できます。
●りんご酢の作り方
皮ごと切ったりんご+お酢+氷砂糖を、瓶などに入れて漬けておくだけ。
お酢はなんでもOKです。
りんご酢は、お湯で割ったり、サワーにしたり、野菜を漬けてピクルスなどにするのもおすすめです。
血管に良い食べるタイミング
プロシアニジンは、体内での持続力があまりありません。早くて数時間、長くても1日ももたないで排出されてしまいます。
そのため、朝・昼・夜に分けて食べれば、プロシアニジンが効率よく摂ることができます。
もし1回しか食べられないのであれば、夜(夕食の前)がおすすめです。りんごには脂肪の吸収を抑える働きがあるためです。
栄養を減らさない保存法
栄養成分を無駄にしないりんごの保存方法は冷蔵保存です。
りんごは果実などの栄養をエネルギーにして呼吸しています。呼吸するほど栄養が減っていくので、冷蔵保存すれば、呼吸が遅くなり、栄養成分が減りにくくなるのです。
野菜室ではなく温度が少し高い冷蔵室に保存するのがおすすめです。ポリ袋などで密閉するのが理想です。
冷蔵庫で1か月程度の保存ができます。
食べきれないときは、水に砂糖を少量入れて煮詰めた「煮りんご」にするのがおすすめです。しなしなになったりんごでもおいしく食べられます。
栄養が多いりんごの見分け方
りんごに含まれるペクチンには、腸の不要なものを排出するのを助ける力があるため、腸をきれいにして、便通を改善する働きがあります。
そのペクチンがより多く含まれる品種は「王林」です。
*「紅玉」<「陸奥」<「ふじ」<「王林」
同じ品種同士でも栄養が多いりんごを見抜くには軸に注目します。
軸は栄養の通り道なので、軸が太い方が栄養がたっぷり含まれます。
おいしいりんごは、りんごのおしりの部分が黄色です。熟してくると黄色になり、緑っぽい色は酸味が強いです。
ペクチンを効率よくとれるメニュー
りんごのペクチン量は、生より100℃以上で加熱した方が6~9倍アップします。
そのためペクチンを効率よく摂れるのは「焼きりんご」です。
●焼きりんごの作り方
①心をくり抜いたりんごに、砂糖やバターを入れる
②電子レンジで約5分温める
ほかにも、さつまいもと一緒に煮物にしたり、衣をつけててんぷらにしたりするのもおすすめです。
りんごジュースでも乳白色のものと透明なものがあります。
乳白色のジュースは繊維が豊富ですプロシアニジンが多く含まれます。
透明なジュースは繊維をろ過したものでプロシアニジンは少ないですが、飲みやすくなっています。
どちらも栄養は豊富なので、お好みで飲み分けましょう。